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(初公開日:2022年9月11日)

9月も10日以上が過ぎ、日に日に日照時間が短くなってきました。秋の夜長といいますが、さまざまなことを考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

織田信長が人生50年という辞世の句を読んでから約450年の時を経て、今は人生100年に備える時代に変化してきました。

そんな中、2022年7月29日に公表された厚生労働省「令和3年簡易生命表概況」から平均寿命と老後の備えについて考えていきたいと思います。

1. 平均寿命の推移から分かる労働の考え方

それでは早速、平均寿命の推移を確認したいと思います。

出所:厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」(2022年7月29日公表)

男性は81.47歳。女性は87.57歳であることが分かります。

コロナの影響がどこまであるのかはわかりませんが、この表で見る限り、この一年は初めて平均寿命が短くなっています。一方で、日本が長寿大国であることは間違いなさそうです。

一般的な年金開始年齢が65歳からですので、65歳から平均寿命まで、男性で約16年、女性で約22年あります。

年金制度が開始された1961年(昭和36年)頃の平均寿命は男性が65歳程度、女性が70歳程度であり、60歳年金開始であっても、男性で約5年、女性が約10年でした。

現在の我々は年金制度が始まった頃よりも男性で約3倍、女性で約2倍の年数が年金受給の人生だと言えるでしょう。

もらえる期間が長くなったことで、年金の財源がという話もよく耳にするようになり、今では60歳を超えても働く人が増えてきています。

内閣府の「令和4年版高齢者社会白書(全体版)」によれば、60歳代の就職率を2002年と2020年で比較すると、以下のようになっています。

出所:内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」

1.1 60~64歳

  • 57.1% 2002年
  • 71.5% 2020年

1.2 65~69歳

  • 36.4% 2002年
  • 50.3% 2020年

この20年で働く60代が増えていることが分かります。

働きたくて働いているのか、それとも働かざるを得なくて働いているのかは、個人によって異なるとことです。

果たして年金開始年齢の65歳以上の方は、どれほど資産を持っているのでしょうか。