2.2 厚生年金の平均年金月額
- 60~64歳:7万7274円
- 65~69歳:14万3613円
※国民年金(基礎年金)の月額を含む
※65歳未満の厚生年金保険の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者
現行の年金制度では、老齢年金の受給開始年齢は原則65歳からです。
年金の受給開始を65歳未満(60歳~64歳)に早める「繰上げ受給」という制度がありますが、国民年金・厚生年金の65歳未満の金額を見ていただくとお分かりのとおり、かなり減額されていますね。
老齢年金は、受給開始を早める「繰上げ受給」と、遅らせる「繰下げ受給」という制度があります。
それぞれの制度を利用すれば、繰上げ受給は1ヶ月早めるごとに0.4%(最大24%)減額、繰下げ受給は一ヶ月遅らすごとに0.7%(最大84%)増額。そして、減額・増額された年金額を生涯にわたり受け取ることになります。
繰上げ受給は減額、繰下げ受給は遅らせすぎると総受取額が少なくなるといった懸念点がありますので、慎重な判断が必要です。
制度として、こういった方法もあるということを知っておきましょう。
さて、原則の年金受給開始年齢となる65歳以降の年金額に話を戻します。
65歳から69歳の平均年金月額は、「国民年金5万7739円」、「厚生年金14万3613円」でした。
国民年金と厚生年金は、年金額を決定する方法が異なるため、このように差が開いてしまいます。
また、厚生年金は、現役時代の年収や年金加入期間により年金額が決定するため、個人差が大きいのも特徴です。
年金見込額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認できますので、一度チェックしてみましょう。
3. まとめにかえて
「退職金や年金以外にどう老後資産を準備するか」が非常に大事になってきます。
国民年金のみの受給者であれば、付加給付や国民年金基金への加入など年金を増やせる手段はいくつか存在します。
また、厚生年金を受給できる方であっても、副業や残業などで目先の収入を増やすことも可能なのではないでしょうか。
加えて、両者に共通する対策としては、「資産運用」が挙げられます。
もちろん流動性の高い預貯金も大切ですが、老後を見据えた際には、一つの選択肢として取り入れてみるのもよいでしょう。
自分のことは自分で守らなければいけません。
今まで資産運用などを考えてこなかった方も、本記事を機に、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
参考資料
荻野 樹