株式会社ツルハホールディングス(3391)(以下「同社」という)が、2024年5月期第1四半期連結決算(対象期間:2023年5月16日~2023年8月15日)を発表した。

既存店売上高が、グループ全体で前年同期比+3.5%、傘下のドラッグストア運営企業でも前年同期を上回り好調で増収増益となった。

商品群別売上高でも、多くの商品群が前年同期比の売上高を上回った。

ツルハホールディングスの当第1四半期連結業績

ツルハホールディングスの当第1四半期連結売上高

売上高は前年同期比+6.8%の2598億2700万円となった。

既存店(13ヶ月経過店)売上高が、グループ全体で前年同期比+3.5%と好調であった。

特に、6月・7月はともに前年同期比+4.6%となり、人流回復に伴って化粧品などの需要が回復したことが影響した。

グループ傘下のドラッグストア運営企業においても、すべての企業において既存店売上高が前年同期比を上回った。

商品群別売上高においても、マスク需要の減少以外では、前年同期を上回った。化粧品の前年同期比+9.4%以外にも、医薬品が前年同期比+10.0%(調剤に限定すると前年同期比+12.1%)、食品が前年同期比+11.8%と好調な売上となった。

また、コロナウイルス感染症の蔓延前となる、2019年5月期第1四半期と当第1四半期を、商品群別の売上高で比較すると、以下のようになる。

  • 商品全体:+36.5%
  • 調剤:+69.9%
  • OTC(Over The Counter):+22.0%
  • 化粧品:+7.4%
  • 日用雑貨:+34.6%
  • 食品:+59.2%
  • その他:+33.6%

すべての商品群において、コロナ禍以前より売上高が伸びている。

とりわけ、調剤は薬価改定・診療報酬改定により利益率は低下しているものの、処方箋枚数が前年同期比でも+12.7%であり売上高は大幅に伸びている。

また、食品は物価上のなか、値ごろ感から需要を取り込むことができており大幅な増収となっている。

ツルハホールディングスの当第1四半期連結販管費

人件費および光熱費が高騰しているなか、同社では人件費は前年同期比+7.0%、水道光熱費は前年同期比+27.3%となった。

しかしながら、地代家賃を前年同期比▲0.2%など販管費をコントロールすることで、販管費全体では前年同期比+8.3%に抑えている。

ツルハホールディングスの当第1四半期連結各段階利益

売上高の増加および販管費抑制により、

  • 営業利益:前年同期比+5.9%の141億300万円
  • 経常利益:前年同期比+6.3%の142億円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益:前年同期比+10.2%の82億6900万円

と、各段階利益は増益となっている。

なお、同社は、医薬品・化粧品等を中心とした物販事業の単一セグメントである。

ツルハホールディングスの業績予想

【図表2】2/3

【図表2】

出所:株式会社ツルハホールディングス 2024年5月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

通期計画に対する各進捗率は、50%前後となっており、順調に推移している。

そのため、通期業績予想の修正はなく据え置いている。

ツルハホールディングスの配当

剰余金配当は、1株あたり、中間配当を前期比+17.0円の133.5円、期末配当を前期比▲10.0円の133.5円としており、年間配当は前期比+7.0円の267.0円を予想する。

配当予想の修正はない。

ツルハホールディングスを取り巻く状況

同社の2023年8月10日開催の株主総会は大変注目された。

香港の投資ファンドであるOASIS INVESTMENTS IIMASTER FUND LTD.(オアシス)が、社外取候補5人の選任案と取締役会長の廃止を含む定款の一部変更案など9議案を株主提案して、同社の創業家体制に「NO」を突きつけたからである。

結果的に、オアシス提案の9議案はすべて否決され、会社側提案が可決された。

今後もオアシスの動向には注視する必要があろう。

ツルハホールディングスの株価

2024年5月期第1四半期連結決算の発表前となる、2023年9月20日の終値は1万300円であった。

年初来高値は、2023年8月14日の1万1075円である。

当第1四半期連結決算発表を受けて、株価の動向に注目したい。

参考資料

石川 貴康