大学・大学院卒で見ると賃金が最も高くなるのは50~54歳の年齢階級です。すべての企業規模計でみると、同年齢階級では賃金は51.56万円となります。また、企業規模別に見ると、大企業で57.18万円、中企業で48.85万円、小企業で40.66万円となります。

高校卒ではどうでしょうか。

高校卒でも賃金が最も高くなるのは50~54歳の年齢階層です。賃金は30.59万円となり、企業規模別では、大企業が35.62万円、中企業で29.08万円、小企業で27.49万円となります。

大学・大学院卒の20~24歳の賃金は22.19万円、高校卒の同年齢階級の賃金が19.19万円ですので、この時点ではそれほど大きな差はありません。しかし、先に見たとおり、50~54歳の年齢階級では、大学・大学院卒の賃金が約52万円であるのに対し高校卒で約31万円です。年齢を経るにしたがって、その差が大きくなっています。

まとめにかえて

「良い大学を出て大企業に入社をすれば、より高い賃金を手にできる」というのは、データ上正しいと言えます。ただ、その大企業も必ずしも安泰というわけではなく、グローバルの競争が激しい分だけ栄枯盛衰も激しいのが悩ましいところです。

また、賃金が毎月積み重なったものが年収ですから、勤務年数が長くなればなるほど生涯で手にできる収入も増えることになります。計算上は、高賃金の会社で長く務めるのが正解のようにも見えますが、皆さんはどうお考えでしょうか。

青山 諭志