現在の関東と関西の境界線・範囲は時と場合によって変化
江戸時代には箱根(神奈川県)や碓氷峠(群馬県)といった関所の東側を「関東」と呼ぶようになり、明治時代ごろに現在の「関東」が指すエリアが確立したと考えられています。
しかし、現在でも関東と関西の境界線はハッキリとしていません。学校の教科書では「関西」ではなく「近畿」を使うこともあり、さらにややこしく感じられます。
加えて電力会社や気象庁の場合、学校の教科書で習うものとは構成している都府県が若干異なっていることも。ここでは、関東と関西を構成する都府県の違いについて紹介します。
学校で学ぶ地方区分
学校では、北海道・中部・四国・九州など、47都道府県を8つの地方に分けて学ぶことがありますよね。このとき、関東・近畿それぞれを構成する都府県は以下のようなものではないでしょうか。
ただし学校の教科書以外で使う「近畿」という区分では、三重県が外されることもあります。また「関西」という括りでも三重県は含まれたり含まれなかったりするので、なかなか範囲が定まらない印象を受けますね。
電力会社の区分
日本では東京電力や関西電力など、大手電力会社10社が主に電力を供給しています。会社名に「東京」や「関西」のような地域の名称が入っている通り、電力会社ごとに電力を供給するエリアがある程度決まっています。
東京電力の場合は関東圏、関西電力の場合は関西圏です。東京電力・関西電力が電力を供給しているエリアを、以下の表にまとめてみました。
電力会社の場合、多くの人が想像する「関東」「関西」よりも広範囲に電力を供給していることが分かりますね。
気象庁による区分
気象庁では、全般気象情報などで使う地域名を定めています。例えば「北海道地方」の場合は北海道全域、「九州南部・奄美地方」は宮城県と鹿児島県を指します。
関東は関東7都県に長野県と山梨県を加えた「関東甲信地方」にまとめられ、関西は「近畿地方」という名称で三重県を除いた6府県です。
気象庁では、学校の教科書や電力会社とはまた違った区分を採用しています。