カレーに入れるお肉は豚肉か牛肉か、餅の形は四角か丸かなど、いろんな場面で対比するように紹介される関東と関西。秋なら月見団子の形が丸いのか、里芋型なのかで比べられます。

関東と関西には様々な違いが見られますが、実際にはどの辺りが境界線と言えるのでしょうか?

分け方によっては三重県が関西に含まれないケースもありますし、厳密にどこからが関東で、どこからが関西なのかイマイチはっきりしないように感じられます。

そこで今回は、関東と関西の境界線について考察!歴史を振り返ったり場面ごとの区分の違いを紹介したりするので、ぜひ最後まで読んでみてください。

「関東」の起源は飛鳥時代ごろまで遡る

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CAPTAINHOOK/shutterstock.com

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「関東」という区分の起源は、飛鳥時代ごろまで遡ると考えられます。もともとは、「関所の東側」という意味で使われていたようです。

当時は奈良盆地にあった都を守るため、都に至る道には関所が設けられていました。その中でも「三関」と呼ばれる3つの関所は特に重要な役割を果たしており、この3つの関所より東の地域を「関東」と呼ぶようになります。

「三関」は以下の3カ所に設置されていました。

  • 愛発関(あらちせき・北陸道):現在の福井県
  • 不破関(ふわせき・東山道):現在の岐阜県
  • 鈴鹿関(すずかせき・東海道):現在の三重県

現在の東海・北陸地方より東側の地域すべてが「関東」だったため、かなり広い範囲を指す言葉であったことが伺えますね。

「関西」の起源は平安時代中期ごろ

「関西」という言葉を使うようになったのは、平安時代中期ごろのことです。当時「三関」のうち福井県にあった愛発関が廃止され、代わりに逢坂関(おうさかのせき)が設置されました。

逢坂関が設置されたのは、現在の滋賀県大津市のあたり。「関西」は新しい「三関」をもとに、「関東」と区別するために使われ始めたと考えられます。

「関東」「関西」をよく使うようになったのは鎌倉時代

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源頼朝が鎌倉幕府を開くと、「関東」という言葉が文書などに頻繁に登場するようになります。

どうやら鎌倉幕府の直轄領を「関東御領」、将軍家が支配する土地を「関東御分国」などと、「関東」を鎌倉幕府の代名詞のように使ったのがきっかけのようです。

同時期には幕府が拠点を置く「関東」と対比するように、朝廷がある地域を「関西」と呼ぶようにもなりました。

ただし「関西」の範囲は厳密に定められておらず、平安時代のころと同様に三関以西を指すことも、朝廷の支配域が及んでいた尾張(現在の愛知県西部)の辺りまでを指すこともありました。

現在の関東と関西の境界線・範囲は時と場合によって変化

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Krishna.Wu/shutterstock.com

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江戸時代には箱根(神奈川県)や碓氷峠(群馬県)といった関所の東側を「関東」と呼ぶようになり、明治時代ごろに現在の「関東」が指すエリアが確立したと考えられています。

しかし、現在でも関東と関西の境界線はハッキリとしていません。学校の教科書では「関西」ではなく「近畿」を使うこともあり、さらにややこしく感じられます。

加えて電力会社や気象庁の場合、学校の教科書で習うものとは構成している都府県が若干異なっていることも。ここでは、関東と関西を構成する都府県の違いについて紹介します。

学校で学ぶ地方区分

学校では、北海道・中部・四国・九州など、47都道府県を8つの地方に分けて学ぶことがありますよね。このとき、関東・近畿それぞれを構成する都府県は以下のようなものではないでしょうか。

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出所:筆者作成

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ただし学校の教科書以外で使う「近畿」という区分では、三重県が外されることもあります。また「関西」という括りでも三重県は含まれたり含まれなかったりするので、なかなか範囲が定まらない印象を受けますね。

電力会社の区分

日本では東京電力や関西電力など、大手電力会社10社が主に電力を供給しています。会社名に「東京」や「関西」のような地域の名称が入っている通り、電力会社ごとに電力を供給するエリアがある程度決まっています。

東京電力の場合は関東圏、関西電力の場合は関西圏です。東京電力・関西電力が電力を供給しているエリアを、以下の表にまとめてみました。

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出所:筆者作成

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電力会社の場合、多くの人が想像する「関東」「関西」よりも広範囲に電力を供給していることが分かりますね。

気象庁による区分

気象庁では、全般気象情報などで使う地域名を定めています。例えば「北海道地方」の場合は北海道全域、「九州南部・奄美地方」は宮城県と鹿児島県を指します。

関東は関東7都県に長野県と山梨県を加えた「関東甲信地方」にまとめられ、関西は「近畿地方」という名称で三重県を除いた6府県です。

気象庁では、学校の教科書や電力会社とはまた違った区分を採用しています。

関東と関西の境界線は時と場合により異なる

もともとは関所の東側を「関東」、西側を「関西」と呼んでいました。現在は時と場合によって関東と関西の境界線が異なり、さらには「関西」が「近畿」になったり「関東」が「関東甲信」とまとめられたりもします。

あなたはどこからが関東・関西だと思いますか?余談ですが、関西経済連合会では関西6府県に鳥取県・徳島県・福井県・三重県を加えたエリアを「関西」としています。会社や組織ごとの違いもあれば、ぜひ教えてください!

参考資料

LIMO編集部