平均年収「400万円台」世帯の平均貯蓄額は?
日本の平均年収は現状もなお「400万円台」となっていますが、果たして貯蓄はできているのでしょうか。
金融広報中央委員会の調査データによると、年収400万円台が含まれる「年収300〜500万円未満」の平均貯蓄額は下記一覧表の結果となりました。
平均値は「全てのデータを足したあとにデータ数で割った値」となっており、貯蓄額が極端に多い人がいた場合、平均値がその金額に偏る傾向があります。
一方で中央値は、対象となるデータを小さい順に並べた時に中央にある値を指していることからより実態に近く、一般的な貯蓄額が知りたい方は中央値を参考にすると良いでしょう。
「年収300〜500万円未満」の金融資産非保有割合はともに25%前後であることから、約4人に1人は貯蓄が全くできていない貯蓄ゼロ世帯であることがうかがえます。
老後生活を考えると収入が年金となるため、現役時代よりもさらに少ないお金で生活をしていく可能性が高くなります。
給与が少ないゆえになかなか貯蓄に手が回らないという人もいるでしょうが、そんな方こそ長時間をかけて少しずつ積み立てることが大切になります。
たとえばNISAといった少額から始められる資産運用を活用して、早い段階から老後に備えた貯蓄も検討していけると良いでしょう。
30年間給与が変わらない日本。まだまだ課題が山積み
本記事では、30年間の日本の賃金水準と、年齢別の平均年収について詳しく解説していきました。
近年日本では物価の上昇が深刻化していますが、その一方で賃金水準が30年間変わっていない実態があります。
賃金水準が変わっていない背景として、正規雇用よりも低い賃金である非正規雇用の増加が挙げられます。
日本ではここ数年、最低賃金の引き上げを行っていますが、それでもなお正規雇用と非正規雇用の賃金格差は依然として大きく開いています。
給与が変わらないのに対して、税金や社会保険料、物価などの高騰が続く日本では、今後の政府の迅速な対策や政策が急がれます。
参考資料
- 株式会社帝国データバンク「9月の食品値上げ、2067品目 2カ月連続で前年比減 値上げ機運「鈍化」」
- 国税庁「令和3年分 民間給与実態調査」
- 国税庁「平成13年分 民間給与実態統計調査」
- 国税庁「平成14年分 民間給与実態統計調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」
- 厚生労働省「令和5年度地域別最低賃金額改定の目安について」
太田 彩子