日中はまだまだ暑いイタリアですが、木陰には涼しい風が吹くようになりました。学校も新年度がはじまり、ようやくイタリアの人々は日常に戻ろうとしています。
多忙な毎日、コンビニがあまりないイタリアではマクドナルドを利用する人が少なくありません。日本にてりやき風味のハンバーガーがあるように、イタリアにも独自のメニューがあります。
イタ飯の本場ではどのようなハンバーガーが展開されているのでしょうか。イタリアにおけるマクドナルド事情を解説します。
イタリアのマクドナルド、歴史や店舗数は?
日本のマクドナルドの1号店は1971年にオープン、一方のイタリアはかなり遅れて1985年に登場しました。
1986年にローマのスペイン階段近くにオープンしたマクドナルドは、ローマっ子だけではなく、観光客も利用するスポットとして有名になりました。
ちなみに、イタリアでは「ハンバーガー」のことを「パニーノ」と呼びます。「パニーノ」といえばイタリアのサンドイッチのようなもので、お好みのパンに好きなチーズやハムを挟んだカジュアルな料理です。
郷土色が濃く残るイタリアでは、地元産の材料を使ったパニーノが今も幅を利かせています。というわけで、日本のマクドナルドの店舗数が3000店舗に近いのに対し、イタリアは670店舗にとどまっています。(2023年9月現在)
また、店構えもイタリア風のところがたくさんあります。郊外のマクドナルドは標準的なスタイルで建てられていますが、歴史地区にあるマクドナルドは、周囲の風景から浮いてしまわないよう、シックなしつらえになっています。
イタリアならではのご当地限定メニューが!
日本とイタリアのマクドナルドのメニューを比較してみましょう。イタリアには、エビ系や醤油テイストのメニューは存在しません。メニューそのものは、日本に比べると決して多くはないのです。
こちらではパルミジャーノやアジアーゴなど、イタリア産のチーズを使ったメニューが定番になっています。
またタコスのような形状の「McWrap」というメニューや、日本では「朝マック」で提供されそうな「McTosast」は珍しいかもしれません。
特にサイドメニューは日本とは大きく異なり、チキンやトマト、チーズを使った大盛りのサラダが3種ほどあります。トマトとモッツァレラチーズを包んだパンツェロッティという揚げパンも、日本ではお目にかからないメニューです。
子どもたちが大好きなハッピーセットは、日本のようなアニメとのコラボはほとんどありません。かつては「男の子用」「女の子用」に分けられていましたが、近年はそれもなくなったようです。
ただしサイドメニューには、リンゴや生のにんじんの小袋が子供用に用意されています。学校のおやつにりんごや生のにんじんを持って行くことが多いイタリアの子どもたちに特化した、かわいいメニューです。
デザートの多くはフルーリーやサンデーですが、イタリアはピスタチオ風味やバーチチョコテイストがあるのが特徴。ドリンクの種類も日本と比較すると少なく、甘みのない飲み物ならミネラルウォーター一択というのが現状です。