3. 老後の年金見込額を確認する方法
ご自身が老後に受給できる年金額を現役時代にざっくりと把握するには、「ねんきんネット」または「ねんきん定期便」を利用します。
どちらも、現時点の年金加入状況に基づく老後に受給できる年金額の「見込み」となります。
3.1 年金見込額を確認する方法①:ねんきんネット
日本年金機構の「ねんきんネット」にて、24時間いつでも最新の以下の記録をご確認いただけます。
- 公的年金制度(国民年金、厚生年金保険、船員保険)の加入履歴の一覧
- 各月の公的年金制度(国民年金、厚生年金保険、船員保険)の加入状況
- 各月の国民年金保険料と国民年金付加保険料の納付状況
- 各月の厚生年金保険または船員保険の標準報酬月額と標準賞与額
- 1年間の保険料納付額、これまでの保険料納付額
- 年金見込額(年額)(老齢年金受給者の方の場合は、現在受け取っている年金額(年額))など
スマホやパソコンからアクセスし、 「マイナポータルとの連携」または「ユーザIDの取得」のいずれかの方法で、ねんきんネットに登録をします。
老後の生活設計を見直す場合など、いつでも最新の情報を確認することができます。
3.2 年金見込額を確認する方法②:ねんきん定期便
ねんきん定期便は、毎年誕生月に郵送されてきます。50歳未満と50歳以上とで通知内容が異なるほか、35歳・45歳・59歳の節目には封書タイプのねんきん定期便が届きます。
受動的に「年金」に触れる年に1度の良い機会として、ねんきん定期便を確認しながら、老後の年金暮らしについてじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。
4. 収支のバランスを想定して老後対策に取り組もう
現役世代の人にとってはまだずいぶん先の老後となるかもしれません。
しかし、その老後に向けて準備するのは「いま」しかありません。
ここまで、平均的な年金額・生活費を見てきましたが、年金暮らしは悠々自適とはいかないのではないか?という不安を抱いた方は少なくないでしょう。
しかし、自助努力でその不安を解消することは可能です。
ご自身の年金見込額と生活費から収支のバランスを見て、「不足する分」と医療費や介護費用などの費用を加えた「老後に必要なお金」を準備しましょう。
人生100年時代ともいわれる長い老後生活。不安要素をできる限り解消して迎えたいものです。
参考資料
- 内閣府「令和4年版 少子化社会対策白書」
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「「ねんきんネット」によるご自身の年金記録の確認」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
和田 直子