先週の世界株式市場の動き
世界各国で総じて上昇した1週間、しかし、自律反発の域を脱しない国も多い
先週(2017年11月20日~11月24日)の世界の株式市場は、総じて上昇したようです。中国など一部の新興国市場は下落しましたが、日本を含めた先進国などは先々週の調整による反発が起きたと考えられます。
- 日経平均株価(日本) +0.7%上昇
- TOPIX(日本) +1.0%上昇
- NYダウ(米国) +0.9%上昇
- ナスダック指数(米国) +1.6%上昇
- S&Pトロント総合指数(カナダ) +0.7%上昇
- FTSE100(英国) +0.4%上昇
- DAX(ドイツ) +0.5%上昇
- CAC40(フランス) +1.3%上昇
- 香港ハンセン指数(香港) +2.3%上昇
- 上海総合指数(中国) ▲0.9%下落
- 韓国総合指数(韓国) +0.4%上昇
- ムンバイSensex(インド) +1.0%上昇
- IDXコンポジット(インドネシア) +0.3%上昇
- ボベスパ指数(ブラジル) +1.0%上昇
注:いずれも先週末(11月24日)と先々週末(11月17日)の終値比較。該当日に株式市場が休場の場合は、その直前営業日の終値。
総じて上昇が目立つものの、力強い値動きには至らず
先週は、特に目立った政治イベントはなく、また、重要な経済指標の発表もありませんでした。そうした中、多くの国で株価は上昇したようです。
ただ、先進国は先々週の調整を受けた自律反発も目立ち、新興国は下落した市場も散見されるなどまだら模様でした。全体的に見れば、上昇はしたものの、力強さには欠けた値動きだったと言えましょう。
先進国市場では欧州株も小幅反発、米国株の好調が目立つ
先進国の中では、米国株の堅調な値動き、とりわけ、ナスダック指数の好調さが目を引きました。感謝祭休暇の影響で商いは低調でしたが、年末商戦の盛り上がりに対する期待感から買われたと見られます。
また、ここ数週間にわたって低調だった欧州株にも反発の動きが見られました。しかし、出遅れ感が強い英国などは、自律反発の域を脱しない小幅上昇に止まっています。
一方、先々週に10週間ぶりの下落となった日本株も再び上昇基調に向かうような値動きを見せました。日経平均株価に比べて上昇ピッチが鈍かったTOPIXも反発していますが、今後の持続性に注目が集まるでしょう。
新興国市場は中国株が冴えない値動き
新興国市場は、上海株が下落するなどしましたが、全体的には上昇しました。しかし、ブラジル株を始めとして、その多くが自律反発的な上昇に止まっており、本格的な反発に繋がるかどうかは今後の動向次第と考えられます。
また、先週下落した上海株ですが、10月の中国共産党大会後から冴えない値動きになっており、今後の調整が長引くのか注目されます。
今週の世界株式市場の注目点
重要イベントが少ない中、感謝祭休暇明けの外国人投資家の動きに注目
今週(11月27日~12月1日)も重要イベントが少ない週です。ただ、こうした静かな週は、些細なニュースや経済指標で株式市場が大きく動く可能性があるため注意が必要です。
なお、12月1日は月初第1金曜日ですが、米国の雇用統計発表はありません(翌週8日の予定です)。
今週予定されている株式市場にインパクトを与えそうな主な予定は以下です。
- 11月27日:サイバーマンデー(米国など)
- 11月27日:新築住宅販売件数(10月分、米国)
- 11月28日:パウエルFRB議長候補の上院公聴会(米国)
- 11月30日:鉱工業生産(10月分、日本)
- 11月30日:OPEC総会(中東)
- 12月1日:失業率、有効求人倍率、家計調査(10月分、日本)
- 12月1日:ISM製造業指数(11月分、米国)
日程は現地時間。現時点での予定のため、変更になる可能性あり。
重要イベントの少ない週だからこそ、株価の動きに要注意
今週も目立った政治イベントは予定されていません。しかし、いくつかの経済指標が発表されます。米国の雇用統計のような特筆すべき重要指標はありませんが、イベントがない時は、こうした些細な指標でも株式市場がやや過度に反応する場合があります。
やはり、今週もボラタイルな株式市場に注意が必要と言えましょう。
クリスマス休暇入り前に“最後の一仕事”を行う外国人投資家
多くの外国人投資家は、12月中旬から徐々にクリスマスモードに入っていくため、市場参加者が少なくなります。しかし、クリスマス休暇に入る前に、具体的には、感謝祭休暇明けの翌週から2週間の間に、年内“最後の一仕事”を行うパターンが多いと考えられます。
実際、日本株などを見ると、12月上旬~中旬にかけて大きな値動きが起きています。トランプラリーが続いていた昨年は大幅上昇、2015年は大幅下落、2014年は乱高下となりました。
このパターンに当てはめると、株価の大きな動きは来週(12月4日~)となりますが、1週間くらい前倒しになっても不思議ではありません。こうした外国人投資家の動きに注視する必要がありそうです。
LIMO編集部