20~30歳代の若い頃は、将来に対して漠然とした不安があるものの、老後の生活についてはイメージが付きにくいかもしれません。しかし、40歳代、50歳代と年齢を重ねるにつれて、老後生活への不安が増しているのではないでしょうか。
昨今はインフレが加速しており、総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2023年(令和5年)8月分(中旬速報値)」によれば、前年同月比で総合指数は2.9%の上昇となっています。
物価上昇によって家計の負担が増えている点も不安材料であり、家庭によっては上手く節約しないと貯蓄や投資に回す余剰資金が確保できません。
では、世間の40~50歳代の方々はどのくらいの金額を貯蓄できているのでしょうか。
本記事では、40~50歳代の貯蓄額の平均と中央値を、「二人以上」と「単身世帯」に分けて紹介します。老後に向けた対策についても解説するので、参考にしてください。
40~50歳代の貯蓄額「二人以上世帯」の平均と中央値はいくらか
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」をもとに、「二人以上世帯」と「単身世帯」の貯蓄額をまとめました。
二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)
二人以上世帯の貯蓄額でより実態に近い中央値は、40歳代で250万円、50歳代で350万円とのことでした。
平均値は40歳代で825万円、50歳代で1253万円となっており、3000万円超の資産を有するアッパーマス層以上の方々の影響が大きいのでしょう。
40歳代の貯蓄額の中央値は250万円

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和4年)」をもとにLIMO編集部作成
50歳代の貯蓄額の中央値は350万円
40~50歳代の貯蓄額「単身世帯」の平均と中央値はいくらか
単身世帯の貯蓄額(中央値)は、40歳代・50歳代ともに53万円でした。
平均値は40歳代で657万円、50歳代で1048万円となっており、二人以上世帯と同様に個人差が大きいことがわかります。
40歳代の貯蓄額の中央値は53万円
50歳代の貯蓄額の中央値も53万円
老後に必要となる資金は?二人以上と単身世帯の生活費を確認
では、老後の生活はいくらを目安とすればいいのでしょうか。
総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の「二人以上世帯」および「単身世帯」の家計収支は以下のようになっています。
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「二人以上世帯」の家計収支は、収入が24万6237円、支出が26万8508円となっており、平均で毎月2万2270円不足することがわかります。
老後生活が25年間あるとすれば、「2万2270円×12カ月×25年間」で約668万円不足する計算です。
「単身世帯」は収入が13万4915円、支出が15万5495円となっており、毎月平均2万580円が不足するので、約617万円を貯蓄などから取り崩して生活する必要があるということです。
上記の調査結果はあくまでも平均値となるため、家庭によってはさらに多くの資金が必要になるケースもあるでしょう。
また、昨今のインフレによって物価が高騰しており、家計の負担が増加している点も不安材料です。
現役時代からの老後に向けた対策3つ
老後生活を豊かにするためには、早めに準備しておくことが大切です。ここでは、老後に向けた対策を3つ紹介します。
1.家計収支の把握・見直し
まずは、家計簿などで収支を把握し、節約できる費用がないか検討しましょう。
例えば、以下のような点に注目してみてはいかがでしょうか。
- 無駄な保険料を払っていないか
- 通信費は高くないか
- 水道光熱費を抑えられないか
毎月かかる固定費を削減できれば、年間で数万円~数十万円の節約につながるかもしれません。
2.老後の収入源を確保する
老後の主な収入源は年金となりますが、その他の収入源も確保できれば生活が安定します。
例えば、確定拠出年金(企業型・個人型(iDeCo))や個人年金保険などでコツコツ積み立てておけば、老後に年金として受け取ることができます。
その他にも、副業などで収入源を確保することもできます。老後に備えて自分に合った方法を考えてみてはいかがでしょうか。
3.資産運用を行う
銀行預金などで安全かつ確実に貯蓄するのもよいですが、近年の低金利下では利息がほとんど付きません。
利息が付かない預貯金では意味がないと考えるのであれば、多少のリスクを許容して資産運用を行うのもひとつの方法です。
NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを活用すれば、税制優遇を受けつつ資産運用を行えます。
長期間の積立投資なら比較的安定した収益が期待できるので、株式や投資信託などの金融商品をコツコツ積み立ててみてはいかがでしょうか。
老後資金の準備は早めに始めよう
本記事で解説した通り、貯蓄額には個人差があり、家計収支も家庭によって異なります。
まずはご自身の状況を把握し、老後までにいくら準備したいのかを考えましょう。
60歳代になってから後悔しないよう、早めに行動しておくことが大切です。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2023年(令和5年)8月分(中旬速報値)」
加藤 聖人