おひとりさまが遺産のために生前にしておきたいこと

法定相続人の有無に関わらず、おひとりさまが大切な資産を希望する先へ遺すために生前にやっておきたいことを確認しておきましょう。

財産目録書の作成

おひとりさまが遺産相続を意識した時に、まず最初にやっておきたのが財産目録書の作成です。

財産目録書とは、ご自身の財産の内容とその在り処を一覧にまとめたものです。預貯金や株式、投資信託、生命保険、不動産、自動車など、資産となるものを財産目録書に記載しておきましょう。

財産目録書は遺言書を作成する際にも使用できますし、遺言書をつくらない場合に、相続人が承継手続きを進める際の負担を軽くすることができます。

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出所:国税庁「財産目録の書き方」をもとに筆者作成

遺言書の作成

遺言書があれば、大切な財産を遺したい人へ遺すことができます。特に、法定相続人がいない「おひとりさま」は、遺言書を作成しておきたいものです。

なお、遺言書の内容通りに遺産相続を行うために、遺言執行者を指定しなければいけません。遺言執行者として指定できる人が見当たらない場合は、信託銀行や司法書士、弁護士などに依頼する方法もあります。

ただし、遺言書の作成から保管、執行まで諸費用がかかりますのでご留意ください。

おひとりさまは「準備」が大切

おひとりさまに限らず、財産は「使い切る」というシニアの方が少なくありません。しかし、老後生活の終わりは誰にも分からないものです。お金を残らずに使いきることは現実的ではありません。

急な入用に備えて、ある程度の資産を手元に置いておく必要もあるでしょう。

資産は「残る」と想定して、どなたかに託す準備をしておくことをおすすめします。準備をするのに早すぎることはありません。

大切な財産を、大切な人に遺す準備を少しずつ始めていきましょう。

参考資料

和田 直子