LIMOが2022年9月にお届けしたガーデニング記事から、人気の記事をピックアップして再掲載します。

(初掲載*2022年9月22日)

さる9月19日に荘厳な雰囲気のなかで執り行われたエリザベス女王の国葬。日本からも天皇皇后両陛下が参列し、その人生を国民のために捧げた女王の死を世界中の人々が偲びました。

国葬は大英帝国の面影を感じさせる壮大なものでしたが、なかでもエリザベス女王の棺の上に飾られていた花々にも注目が集まりました。

そこで今回は、エリザベス女王の棺の上に飾られていた美しい花々について、詳しくお伝えします。

1. 亡き女王の棺を飾る美しい花々。ロマンティックなエピソードも

ウェストミンスター寺院での国葬を終えた、エリザベス女王の棺(2022年9月19日)

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世界中の人々から親しまれたイギリス君主の棺の上には、新国王からのメッセージとともに美しい花々が飾られました。

棺に飾られていたリースの花々は、エリザベス女王が住まいとするバッキンガム宮殿、王室が所有する邸宅であるクラレンスハウス、ハイグローブハウスから摘まれてきたもの。縁のある庭園の花々が散りばめられています。

ピンクやイエロー、バーガンディの華やかな花々は気品にあふれ、野趣あふれる雰囲気とも見事に調和したリースはまさに圧巻のひとことに尽きます。

リースに取り入れられたマートルに関しては、1947年に結婚したエリザベス女王のウェディングブーケの一部から育てたというロマンチックなエピソードも。

チャールズ新国王の意向により、棺の上に置かれたリースの台はスポンジの代わりにモス(苔)やオークの枝が使われ、環境に配慮した作りになっています。長年環境問題に熱心に取り組む新国王の考えが垣間見えるポイントですね。

2. エリザベス女王の棺を荘厳に彩った、美しい花々

2.1 マートル(ギンバイカ)

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マートルは愛、喜び、繁栄を象徴する聖なる木として、結婚式のブーケにもよく使われる植物。日本ではイワイノキとも呼ばれます。

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生長すると樹高は1~3メートルほどで、初夏には香りのよい、白く美しい花を咲かせます。

丈夫な性質で強剪定にも耐えるため、コンパクトに仕立てることも可能。斑入りの品種「バリエガタ」は生け垣にも用いられ、庭をオシャレに演出します。

2.2 ローズマリー

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常緑低木のローズマリーはハーブとしても知られる植物。神話に登場したり、宗教行事にも使用されるなど、その香りや薬効、神秘性から古来より結婚式や葬式にも使われてきました。

細かい葉が特徴のローズマリーは、リースのなかでは枝ものとして使用されています。