最近の生活必需品の値上げや物価上昇、光熱費の高騰など、日々の生活が苦しいと感じていると思います。

現役時代の貯蓄を切り崩して生活している、シニア世代の年金暮らしの方も多いと聞きます。

現役世代の働き盛りの方には、現在の不安だけでなく将来に対する不安を抱えている方も多いでしょう。

シニア世代の「標準的な夫婦世帯の年金月額」は国民年金の平均年金月額が約5万6000円であり、厚生年金の平均年金月額が約14万4000円ですので約22万円となっています。

ただ、「老後」と一口にいっても、ライフスタイルは変化するもの。

厚生労働省「人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~」によれば、平均寿命の中央値は男性で84.51歳、女性で90.55歳です。

男性よりも寿命が長い傾向にある女性は、特に「ひとりの老後対策」を早くから考えておくべきでしょう。

そこで今回は、年金生活者の貯蓄額や年金はどれくらい受け取っているのかについて、70歳代のおひとりさまを中心に見ていきます。

1. 70歳代「おひとりさま」の貯蓄額はいくら?平均と中央値に約1000万円の差

まずは70歳代の単身世帯の貯蓄事情を、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」をもとに見ていきましょう。

70歳代の単身世帯の金融資産保有額の平均は1433万円。中央値が485万円と平均と大きく乖離が出ています。