2. 借入額はいくら?40歳代で二人以上世帯の平均と中央値

貯蓄額と負債額はセットで見ていく必要があります。貯蓄があっても、借入れがそれ以上にあれば金融資産はマイナスとなるからです。

同調査をもとに、40歳代世帯の「負債額」についても整理してみましょう。

2.1 負債額の平均・中央値(「借入金がない」と回答した世帯を含む)

  • 平均:407万円
  • 中央値:0円

40歳代・二人以上世帯の借入額は、平均407万円、中央値は0円でした。これは「借入金がない」と回答した世帯を含む調査のため、借入ゼロの世帯が多いことがわかります。

では、借入金がある世帯だけにフォーカスするとその残高はいくらになるのでしょうか。

2.2 負債額の平均・中央値(「借入金あり」の世帯のみ)

  • 平均:1575万円
  • 中央値:1500万円

「借入金がある」と回答した世帯のみに絞ると、借入額の平均は1575万円、中央値は1500万円となりました。このうち、住宅ローン残高に特化してみましょう。

2.3 負債額の平均・中央値(住宅ローン残高)

※「借入金がある」と回答した世帯のみ

  • 平均:1480万円
  • 中央値:1400万円

「借入金がある」と回答した世帯の住宅ローン残高は、40歳代世帯の平均で1480万円、中央値で1400万円となっています。

先ほど確認した「借入金がある」世帯の平均借入額が1575万円でしたので、借入の用途のほとんどが住宅ローンであるといえます。

3. 世代別・借入金残高の推移(20歳代~70歳代)

では、借入金残高は世代ごとにどのように推移しているものなのでしょうか。借入金があると答えた世帯の「借入金残高」は以下の通りでした。

  • 20歳代:平均675万円・中央値100万円
  • 30歳代:平均1852万円・中央値1800万円
  • 40歳代:平均1575万円・中央値1500万円
  • 50歳代:平均1150万円・中央値900万円
  • 60歳代:平均895万円・中央値500万円
  • 70歳代:平均979万円・中央値400万円

30歳代でもっとも大きくなっていることから、この年代で住宅を取得する方が多いと考えられます。その後、徐々に中央値は減少していくものの、やはり40歳代の借入額の多さは目立ちます。

教育費などがかさむことも多く、支出のコントロールが難しいと言えるでしょう。

教育費が落ち着く50歳代や、退職金を受け取る60歳代は借入額が大きく減っていますね。

4. 老後が近づき始める40歳代。将来への準備を

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40歳代は働き盛りの時期といえるでしょう。しかし、これまで通りの生活をしていては、着実に近づいてくる老後に備えられません。

65歳を定年退職と考えると、40歳代から老後の生活までは約20年以上あります。

この期間でどのくらい老後に向けて準備できたかによって、老後の生活は大きく変わります。

貯蓄ももちろん大事ですが、同時に資産を増やす「運用」も取り入れていきたいところです。

運用にはさまざまな方法があり、リスクも伴いますが、時間を味方につけて運用することにより元本割れのリスクを分散させることが可能です。

まずは、自分に合った方法は何か知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

大庭 新太朗