2023年8月23日、大阪府が「食費支援事業 第2弾」の開始を発表しました。

食費支援事業とは、物価高騰が長期化する中、家計に占める食費の割合が大きい子育て世帯に「お米クーポン」または「その他の食品」を支援するものです。対象は「子ども」ですので、多子世帯はお子さまの人数分の支援を受けることができます。

このような支援が生まれるほど、いまの日本は厳しい状況にあるといえるでしょう。昨今の物価高騰は、子育て世帯だけでなく全ての世帯にダメージを与えていると考えられます。

とくに、収入が限定されるシニアの人たちは不安が大きいかもしれません。今回はそんなシニア世代の生活を支える「老齢年金」の受給額を眺めていきましょう。

1. 日本の公的年金制度は「2階建て」

公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2つの制度で構成されています。現役時代に加入する年金の種類によって、老後に受給する年金額が大きく異なりますので、それぞれの仕組みをここで押さえておきましょう。

日本の年金制度は「2階建て」の構造になっており、1階に「国民年金」、2階に「厚生年金」があります。

1.1 国民年金:1階部分

「国民年金(基礎年金)」は、年金制度の「基礎部分」となり、原則、日本国内に住む20歳から60歳未満の全ての人が加入する年金です。

保険料は全員一律で、毎年見直しが行われます。加入義務期間となる40年間(480カ月)、保険料を全て支払えば「満額」を受給、未納がある場合には満額から差し引かれます。

なお、第2号被保険者に扶養される第3号被保険者は、保険料の負担は不要です。配偶者が加入する年金制度が負担することになっています。

1.2 厚生年金:2階部分

厚生年金は、国民年金(基礎年金)の資格を含む年金で、主に会社員や公務員などが加入します。

保険料は、毎月の給与や賞与などの報酬により決定する仕組みです。老後の年金は、保険料と年金加入期間によって計算されるため、個々で大きく異なります。