日本郵政株式会社(6178)(以下「同社」という)が。郵便局に馴染みのない若い世代、いわゆるZ世代向けに対策を開始した。

同社傘下の日本郵便株式会社が取り扱う「手紙」「はがき」、ひいては郵便局自体がZ世代には身近なものではない、と同社は考えている。

そこで、Z世代が集まる渋谷(東京都)のイベントスペースにて、ポップアップストアを期間限定でオープンさせた。

日本政府はかねてより保有する同社株式の売却を示唆していた。同社が政府の意向に応じた形となる。

Z世代は本当に手紙離れしているのか?

文化庁が1995年(平成7年)から「国語に関する世論調査」(対象者:全国の16歳以上の男女3000人)を、毎年実施している。

2016年の平成28年度「国語に関する世論調査」では、「本音を伝えやすい手段・方法」を質問しており、その回答から多少のヒントが得られる。少し前の統計となるが、よりSNSが発達および浸透した2023年現在においても十分参考となると考えたため取り上げる。

【図表1】は、16歳以上の全年齢のデータとなる。「手紙や葉書」が18.1%である一方、「SNSやブログなどのメッセージ」は3.9%となっており、「手紙や葉書」は2016年においてまだまだ重要視されている。

ところが、対象年齢を16~19歳にすると以下のとおりとなる。

  • 「手紙や葉書」:7.9%
  • 「SNSやブログなどのメッセージ」:11.8%

生まれた時、あるいは物心ついた時から、インターネットやパソコンのある環境で育ってきた世代をデジタルネイティブと呼ぶ。デジタルネイティブは、気軽に利用できるSNSやチャットツール(LINEなど)を身近に感じ、手紙離れが進んでいると言われるが、上記統計からもその一端を垣間見ることができる。

直近の、「令和3年度 国語に関する世論調査〔令和4年1月調査〕」では、同様の調査は実施されていないが、より顕著な結果が出るのではなかろうか。また、現在実施すると選択肢の項目が変化するであろう。LINEが項目に入ったり、SNS項目の細分化などが想定される。