外貨預金は円を外貨に換えて預金することです。
為替レートの値動き次第では為替差益が期待できる一方、類似の金融商品であるFXと比べるとデメリットが多いことも事実です。
本記事では、外貨預金のデメリットを紹介するとともに、FXのメリットについても解説します。
この記事を読んでわかること
- 外貨預金とは
- 外貨預金のデメリット
- FXのメリット
外貨預金とは
外貨預金とは「米ドル」や「ユーロ」などの外国通貨で預金することです。
日本円を外貨に換えて預けることになります。
交換した外貨ごとに金利は異なり、円よりも高い利率で運用することも可能です。
<外貨預金の金利(普通預金)>
通貨 | 金利 |
米ドル | 0.5% |
ユーロ | 0.20% |
トルコリラ | 3% |
また、外貨預金では為替レートの変動による為替差益が期待できます。
為替差益とは為替レートの変動によって得られる利益のことです。
たとえば、1ドル=100円の時に1万円分のドル(100ドル)を購入し、その後1ドル=105円の時にドルを円に戻せば500円の利益が得られます(税・手数料は考慮しない)。
外貨預金は為替予約ができる
外貨預金は途中で満期日の為替レートを確定させる「為替予約」ができます。
たとえば、満期日の1ヶ月前に「1ドル=145円」で為替予約すれば、そのレートに沿った受け取り額となります。
ただし、変更や取消ができない点には注意が必要です。
外貨預金のデメリット5つ
外貨預金は円安時に為替差益を狙えることがメリットとなる一方、デメリットもあります。
ここでは外貨預金のデメリットとして以下の5項目を解説します。
- 取引コストが高い
- レバレッジをかけられない
- 円安の時にしか利益がでない
- 税金が高い
- ペイオフの対象外
1. 取引コストが高い
外貨預金では「円」から「外貨」、「外貨」から「円」に換えるタイミングで為替手数料が発生します。
たとえば、三菱UFJ銀行における「円/米ドル」の為替手数料はインターネットバンキングで25銭、窓口で1円です(2023年8月18日)。
※出所:三菱UFJ銀行「為替手数料」
1万米ドルを取引する場合は窓口で1万円、インターネットバンキングで2500円かかります。
米ドルから円に戻す時にも同様の為替手数料が発生する点にも注意が必要です。
2. レバレッジをかけられない
外貨預金はFXのようにレバレッジをかけた取引ができません。
レバレッジとは少ない資金をもとに多額の取引を行えるしくみのことです。
たとえば、FXでは口座にあるお金を担保にして数倍、数十倍の金額を取引できます。
たとえば、FXで4万円を証拠金(口座内のお金のこと)に、100万円分の米ドルを購入したとしましょう(1米ドル=100円とする[100万円→1万米ドル])。
この場合、1円の円安によって1万円の利益が得られる計算になります(1万×1円分の利益)。
一方、レバレッジを効かせずに4万円分の米ドルを購入した場合の利益は400円にしかなりません。
レバレッジというオプションがない点は外貨預金のデメリットと言えます。
※レバレッジをかけると小さな資金で大きなリターンを狙えますが、逆に損失を被った時のダメージも大きい点には注意が必要です。
3. 円安を予想した時にしか利益を狙えない
外貨預金は円安を予想した時にしか利益がだせません。
外貨預金には「円」を「外貨」に換えるという選択肢しかないためです。
予想通り円安になれば、外貨から円に戻す時に利益がでますが、逆に円高になれば損をします。
そのため、これから円高になると予想したタイミングで円を外貨に換えるメリットはないのです。
一方、FXはその仕組み上、外貨を買うことはもちろん、売りから入ることもできます。
たとえば、円と米ドルをペアとして取引する場合(FXでは2つの通貨をペアとして取引します)、以下の2種類の売買が可能です。
- 円を売ってドルを買う
- 円を買ってドルを売る
1なら円安で、2なら円高で利益がでます。
なお、FXは取引にかかるお金のやり取りを(円に換算して)日本円で行えるため、わざわざ外貨を用意する必要もありません。
4. 税金が高い
外貨預金は税率が高いのがデメリットです。
外貨預金によって得た為替差益に対しては最大55.945%の税がかかります(雑所得として総合課税)。
申告分離課税として20.315%の税がかかるFXと比べると高い税率になってしまう可能性がある点に注意が必要です。
なお、外貨預金の利子の税率は20.315%です(源泉分離課税)。
5. ペイオフの対象外
金融機関が破綻した際には、預金保険機構が預金者1人あたり1000万円までの元本とその利息を払い戻してくれます。
この資産を保護するしくみのことをペイオフと言います。
外貨預金はペイオフの対象外です。
外貨を保有するなら「外貨預金よりもFXがおすすめな理由」
結論、外貨預金をするのであればむしろFXがおすすめです。
ここからはFXのキホンやメリットを確認していきます。
FXとは
FXとは、外国為替証拠金取引の通称であり、「Foreigin eXchange」を略した名称です。
金融庁では以下のように定義されています。
外国為替証拠金取引は、証拠金を差し入れて、日本円と米ドルなど、2つの国の通貨の為替相場を予測して売買を行う金融商品です。外国為替を英語で“Foreign Exchange”と表すことに由来して、外国為替証拠金取引は、通称、「FX」などと言われます。
出所:金融庁「外国為替証拠金取引について」
FXは「円」と「米ドル」など2つの通貨をペアにして取引します。
たとえば、「ドル/円を買う」なら円を売ってドルを買います。また、「ドル/円を売る」なら円を買ってドルを売ることになります。
FXで狙える利益は「為替差益」と「スワップポイント」の2種類です。
為替差益とは為替レートの動きによって得られる利益のことです。
また、スワップポイントとは通貨ペア間の金利差で出す利益です。
金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買うことで、金利差に応じた利益が毎日発生します(例:「トルコリラ/円を買う」)。
利益の受け取りや損失を被った場合の支払いは(残高の減少)はすべて日本円で処理されるため、わざわざ外貨を用意する必要はありません。
FXのメリット
ここではFX取引のメリットをより具体的に見ていきましょう。
以下の4項目について解説します。
- 手数料が安い
- レバレッジを効かせた取引ができる
- ロスカットによる安全性の高い取引ができる
- 24時間取引できる
1. 手数料が安い
FXは外貨預金と比べると手数料が安い傾向にあります。
たとえば、トレイダーズ証券の「みんなのFX」なら米ドルは1通貨(1ドル)あたり0.2銭(AM8:00~翌日AM5:00 原則固定(例外あり))。
1万通貨取引しても20円しかかかりません。
2. レバレッジを効かせた取引ができる
FXでは口座に入金したお金(証拠金)の最大25倍の取引が可能です。
たとえば、1米ドル=100円と仮定した場合、10万円の証拠金で250万円相当のドル(2.5万ドル)を取引できます。
2.5万ドルの取引であれば1円の為替レートの変動でも2.5万円相当の利益が期待できます。
ただし、同じだけの損失を抱えるリスクがあることには注意が必要です。
もちろん外貨預金同様レバレッジを効かせない取引もできます。
3. ロスカットによる安全性の高い取引ができる
ロスカットとは損失が一定のラインを超えた場合に発動される強制決済のしくみです。
損失が致命的なレベルになる前に投資家を保護する制度とも言えます。
例えば、「みんなのFX」では、純資産(損益を加味した口座内の資産)が取引の維持に必要な金額(必要証拠金)の100%以下になった際にロスカットが発動します。
当社の「みんなのFX」では、FX口座の証拠金維持率を常に判定しており、証拠金維持率が100%以下になった場合にロスカットが執行され、保有しているすべてのポジションについて、自動的に決済の成行注文が発注されます。
出所:みんなのFX「みんなのFXのロスカットについて」
ただし、ロスカットは万能ではありません。
相場の下落が急であれば、基準を大きく下回ったタイミングでの強制決済となることがあります。
最悪の場合は口座内の残高(証拠金)がマイナスとなり借金を抱えるケースもあるので注意が必要です(レバレッジを効かせた場合)。
4. ほぼ24時間取引できる
ほぼ24時間取引ができる点もFXのメリットです。
FXは世界各地に外国為替市場があるため、土日とメンテナンス時間を除いたほぼ24時間の取引が可能です。
※ただし、クリスマスは欧米の市場が休みになるなど、例外がある点には注意が必要となります。
FXを始めるなら「みんなのFX」がおすすめ
ここまででFXの取引に興味を持った方もいるでしょう。
FXを始めるにはFX会社で取引口座を開設する必要があります。
これからFXに取り組みたい初心者の方におすすめなのは「みんなのFX」です。
みんなのFXは業界最狭水準のスプレッドと高スワップが魅力のFXサービス。最低1000通貨から取引することができるため、少額から始めたい方にもおすすめです。
【比較表】外貨預金とFXの違い
最後に外貨預金とFXを主な項目で比較してみましょう。
FX | 外貨預金 | |
取引コスト | 安い | 高い |
レバレッジ | 1~25倍 | 1倍 |
為替差益 | 円高・円安の両方場面で利益を狙える | 円安の時のみ |
為替差益の税率 | 20.315%(申告分離課税) | 最大55.945%(雑所得として総合課税) |
為替差益以外の利益 | スワップポイント(毎日発生) ※原則いつでも受け取り可能 |
満期時ないし解約時に利息の受け取り |
外貨預金よりもFXの方がメリットが大きいので、外貨預金をするならむしろFXがおすすめです。
参考資料
まとめ
- 外貨預金は円安時の為替差益が狙える金融商品
- ただし、FXと比較した場合に手数料が高いなどのデメリット多数
- FXサービスでおすすめなのは「みんなのFX」
MeChoice編集部