【東海道新幹線】グリーン車では車内販売を継続するものの注文方法が変化
「東海道新幹線での車内販売が終了する!」と言われていますが、グリーン車では今までと同じように、新幹線の車内で飲食物が購入できます。
従来と変化するポイントは、注文方法です。今まではワゴン車を押して通路を通ってくれましたが、2023年11月1日以降はモバイルオーダーを使用します。
使い方はとても簡単で、グリーン席の各席に設置されているQRコードをスマホで読み込み、食事や飲み物を注文するだけ。注文が通ったら、パーサーが座席まで商品を運んでくれます。
【東海道新幹線】今では当たり前の車内販売はいつから始まったの?
日本では明治時代に鉄道が開通し、同時代に駅弁も誕生しました。一説によると、駅弁の起源は1885年(明治18)に宇都宮駅で販売を開始したおにぎりとたくあんのお弁当だったそうですよ。
「明治時代に駅弁があったのだから、車内販売も同時代に始まったのでは?」と思いきや、国鉄が車内販売を認めたのは1934年(昭和9)。東海道本線の静岡地区で試験的に行われたのが始まりでした。
その後、車内販売はどうやって現在のように普及したのでしょうか。ここでは、車内販売の歴史を簡単に解説します。
【東海道新幹線】1934年(昭和9)に国鉄が車内販売を承認
1934年(昭和9)に国鉄が車内販売を承認し、東海道本線の静岡地区で試験的に食べ物が電車の中で販売されるようになりました。当時販売することを認められていたのは、お弁当だけだったそうです。
飲み物・お土産・たばこなどの販売が承認された時期は定かではありませんが、一説によるとこれらの商品が正式に導入されたのは1949年5月のこと。国鉄時代にキヨスクを運営していた鉄道弘済会が、四国で販売を開始しました。
ちなみに車内販売が開始される前の時代は、電車のドアや窓を手動で開閉できたため、窓越しに代金を渡したり、商品を受け取ったりするのが一般的でした。
売り子が走って間に合うスピードなら、電車が発車してからでも商品を受け取ることがあったようですよ。
【東海道新幹線】ひとつの列車に複数の業者が乗っていた時代も
技術の進歩に伴い、特急列車ではドアが自動で開閉し、窓が固定されている車両が普及しました。
列車の速度がかなり上昇したこともあり、高度経済成長期前後には駅のホームからの販売ではなく、業者が車内に乗車して商品を販売するようになります。
1964年(昭和39)に開業した東海道新幹線では、当初は全部の列車で食堂車を運行するよう定めていました。駅弁は東海車販、ジュースやお土産は日本食堂と帝国ホテルが担当しており、ひとつの列車に複数の業者が乗っていました。
しかし売上が各社に分散し、大きな利益にはならなかったこともあり、JRの発足に伴い現在の形に落ち着きます。