東京から新大阪までをつなぐ東海道新幹線。2023年のお盆の帰省や、夏休みの旅行で利用した人もいると思います。

東京から新大阪までを約2時間30分・最高速度285km/hでつなぎ、車窓からは富士山や京都の東寺の五重塔などが眺められ、乗車するだけでもスピード感や景色などが楽しめますよね。

新幹線の楽しみのひとつに、飲食物やお土産が購入できる車内販売も挙げられます。しかし2023年8月8日、JR東海は新幹線での車内販売を終了することを発表しました。

そこで今回は、車内販売が終了した後の東海道新幹線はどうなるのか、そして車内販売が現在の形になるまでの歴史を紹介します。

【東海道新幹線】車内販売終了後の対応は

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cowardlion/shutterstock.com

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JR東海は2023年10月末で、新幹線「のぞみ」「ひかり」での車内販売を終了することを決定しています。

JR東海のニュースリリースによると、車内販売を終了する理由は、静かな車内環境を求める意見があったことや、将来発生する可能性がある労働力不足への対応などだそうです。

新幹線の車内販売が終了し、2023年11月1日からはどのようなサービスが提供されるのでしょうか?新しい車内サービスについて、簡単に紹介します。

【東海道新幹線】シンカンセンスゴクカタイアイスなどは自動販売機で事前購入

新幹線の車内販売の名物といえば、硬いけどおいしい「スジャータ スーパープレミアムアイスクリーム」(通称:シンカンセンスゴクカタイアイス)ですよね。

「もう食べられないの?」と思ってしまいますが、実際は駅のホームに自動販売機が設置され、そこから車内で販売されていた商品を購入できるようになります。

自動販売機は2023年11月1日までに新幹線「のぞみ」の停車駅のホームに設置され、順次拡大するそうです。

今後、新幹線の車内でシンカンセンスゴクカタイアイスやコーヒーを飲食したい時は、少し早めに駅に到着し、自動販売機で商品を購入する時間も確保しておいた方がよさそうですね。

【東海道新幹線】グリーン車では車内販売を継続するものの注文方法が変化

「東海道新幹線での車内販売が終了する!」と言われていますが、グリーン車では今までと同じように、新幹線の車内で飲食物が購入できます。

従来と変化するポイントは、注文方法です。今まではワゴン車を押して通路を通ってくれましたが、2023年11月1日以降はモバイルオーダーを使用します。

使い方はとても簡単で、グリーン席の各席に設置されているQRコードをスマホで読み込み、食事や飲み物を注文するだけ。注文が通ったら、パーサーが座席まで商品を運んでくれます。

【東海道新幹線】今では当たり前の車内販売はいつから始まったの?

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Sergey_Bogomyako/shutterstock.com

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日本では明治時代に鉄道が開通し、同時代に駅弁も誕生しました。一説によると、駅弁の起源は1885年(明治18)に宇都宮駅で販売を開始したおにぎりとたくあんのお弁当だったそうですよ。

「明治時代に駅弁があったのだから、車内販売も同時代に始まったのでは?」と思いきや、国鉄が車内販売を認めたのは1934年(昭和9)。東海道本線の静岡地区で試験的に行われたのが始まりでした。

その後、車内販売はどうやって現在のように普及したのでしょうか。ここでは、車内販売の歴史を簡単に解説します。

【東海道新幹線】1934年(昭和9)に国鉄が車内販売を承認

1934年(昭和9)に国鉄が車内販売を承認し、東海道本線の静岡地区で試験的に食べ物が電車の中で販売されるようになりました。当時販売することを認められていたのは、お弁当だけだったそうです。

飲み物・お土産・たばこなどの販売が承認された時期は定かではありませんが、一説によるとこれらの商品が正式に導入されたのは1949年5月のこと。国鉄時代にキヨスクを運営していた鉄道弘済会が、四国で販売を開始しました。

ちなみに車内販売が開始される前の時代は、電車のドアや窓を手動で開閉できたため、窓越しに代金を渡したり、商品を受け取ったりするのが一般的でした。

売り子が走って間に合うスピードなら、電車が発車してからでも商品を受け取ることがあったようですよ。

【東海道新幹線】ひとつの列車に複数の業者が乗っていた時代も

技術の進歩に伴い、特急列車ではドアが自動で開閉し、窓が固定されている車両が普及しました。

列車の速度がかなり上昇したこともあり、高度経済成長期前後には駅のホームからの販売ではなく、業者が車内に乗車して商品を販売するようになります。

1964年(昭和39)に開業した東海道新幹線では、当初は全部の列車で食堂車を運行するよう定めていました。駅弁は東海車販、ジュースやお土産は日本食堂と帝国ホテルが担当しており、ひとつの列車に複数の業者が乗っていました。

しかし売上が各社に分散し、大きな利益にはならなかったこともあり、JRの発足に伴い現在の形に落ち着きます。

【東海道新幹線】現在のワゴンを押すスタイルの車内販売へ

新幹線が開業した当初、車内販売のほかに昔ながらのホームでの立ち売りも行われていました。しかし風圧でワゴンが倒れたり、商品が飛んで行ったりするリスクがあったため、ホーム上に固定店舗が開店します。

またJRの発足や分割・統合に合わせて、サービスの見直しが行われました。1988年に営業を開始したカフェテリアから始まり、列車内に売店や自動販売機なども設置されました。

しかし車両の進化により車内空間が快適になったこともあり、乗客は席を立って車両を移動することが少なくなります。その結果、車内のカフェテリア・売店・自動販売機などは廃止され、乗客がいる場所まで商品を運ぶワゴン販売が一般化しました。

【東海道新幹線】時代の流れに合わせて変化するサービス

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Hit1912/shutterstock.com

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1872年(明治5)に日本で鉄道が開通してから、約150年が経過しました。駅や車両内での商品の販売スタイルも、時代に合わせて変化しています。

駅のホームでの立ち売りや新幹線の車両内での売店などを見かける機会は、現在ではほとんどなくなりました。2023年11月1日から始まる東海道新幹線の新サービスも、時代の流れなのかもしれません。

参考資料

成瀬 亜希子