2.2 国民年金の平均月額
〈全体〉平均年金月額:5万6368円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9013円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4346円
厚生年金を受け取れるかどうかでも、その水準は大きく異なることがわかります。
厚生年金は、会社員や公務員など第2号被保険者が国民年金の上乗せとして加入する年金です。
扶養内でパートをしている方は、厚生年金に加入するか悩む方も多いでしょう。目先の手取り給与は減りますが、将来の年金額を考えると一概にデメリットと言えません。
ただし、手厚いように見える厚生年金でも、実際の受給額には個人差もあります。
ねんきん定期便やねんきんネットなどで「自分自身の見込額」を確認してみましょう。夫婦世帯の場合、配偶者の見込額も合わせて確認することが重要です。
3. 厚生年金・国民年金だけで暮らす準備3選
将来は働くことなく、公的年金だけでゆっくり暮らしたいと考える方もいます。
とはいえ、今は100%年金だけで暮らす方が半数以下となり、何らかの収入を得たり、貯蓄を切り崩したりする方が多くなっています。
それでも年金だけで暮らしたい場合は、現役時代からの備えが非常に重要になるでしょう。ここでは特に重要となるポイントについて、3つに絞ってご紹介します。
3.1 厚生年金の受給額をあげる
まずは厚生年金の受給額を上げられる努力をしましょう。厚生年金の受給額は、基本的に年金の加入期間と報酬額で決まります。
年収を上げること、そして厚生年金制度を導入している企業に属する期間を延ばすというのが、厚生年金の受給額アップの対策になります。
また先程お伝えしたように、扶養内パートの方は厚生年金の加入自体を一度検討してみましょう。
厚生年金は70歳まで加入することもできます。できるだけ長く働くことで、将来の年金額を上げることが可能です。
3.2 国民年金の受給額をあげる
厚生年金に加入していない方などは、国民年金の受給額を上げることを検討しましょう。
国民年金(老齢基礎年金)は、保険料の納付月数によって受給額が決まります。何らかの事情で満額を支払っていない場合、当然受給額は減ってしまいます。
過去の未納分は追納できますが、期間が決められています。まずは未納期間と追納期間を確認してみましょう。
そのほか、自営業者で国民年金しかない方は、国民年金基金や付加保険料の納付により年金額を上乗せできます。
3.3 繰下げ受給で年金額をあげる
厚生年金や国民年金は、原則として65歳から支給が開始されます。
これを66歳より後に繰り下げることで、受給額を増額させることができます。これを年金の繰下げ受給といいます。
1ヵ月繰り下げるごとに0.7%増えるので、例えば月額10万円しかないという方は、最大75歳まで繰り下げると18万4000円にできます。
①②で紹介した年金アップ術よりも、増額効果が見込めるでしょう。
ただし、年金が受給できるまでは収入がありません。この間に資産を切り崩してしまうと、大切な老後資金がなくなり本末転倒となってしまいます。
働き続けることが重要となるので、万が一働けなくなった場合のリスクにもしっかり備えておきましょう。