一般的に自営業者が公的年金を受給する場合、国民年金から支給されるだけで、会社員とは違い年金額が少なくなります。
そのため、老後を迎えるまでに将来の生活資金を確保するための準備が必要になるでしょう。
今回は、自営業をしている夫婦が満額で年金をいくら受け取れるのかを解説します。
10月に「自営業夫婦」は年金26万5000円をもらえるのでしょうか。
老後に向けた対策も解説するので、ぜひ参考にしてください。
1. 自営業者の夫婦が受け取る年金額「満額」でいくら?
2023年6月から支給される老齢基礎年金額は、満額で6万6250円です。
夫婦2人とも国民年金を満額受給した場合、1ヵ月で受け取れる年金額は、13万2500円となります。
一般的に、公的年金は年間6回にわたって支給されます。
偶数月に支給され、支払い対象月は支給月より前の2ヵ月が対象です。
つまり国民年金を満額納めていれば、次回の年金支給日である10月に2ヵ月分が支給されるため、夫婦で合計26万5000円の年金を受給できます。
では、国民年金を受け取っている人の実態を見ていきましょう。
2. 自営業者の夫婦が受け取る年金額「平均」でいくら?
厚生労働省は2022年12月に「2021年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を発表しました。
国民年金の受給権者を平均年金月額でみると、2021年度は5万4050円となっています。
夫婦で平均額を受け取る場合、年金の支給額は21万6200円(2ヶ月分)となります。
1ヵ月あたり10万8100円となるため、年金だけで生活は難しいでしょう。
では、公的年金だけに頼らず老後資産を増やすには、どのような対策ができるのか、自営業者が押さえておきたいポイントについて解説します。
3. 自営業者が対策すべき資産形成の方法とは?
自営業が老後の資産形成のために、押さえておくべきポイントは次の3つです。
- 付加年金の活用
- 小規模企業共済の活用
- iDeCoやNISAの活用
それぞれのポイントを解説しましょう。
3.1 付加年金の活用
付加年金は、月額400円をプラスして納付すると、国民年金に上乗せされて受給されます。
付加年金は、以下の計算式で受給額が決まります。
200円×付加保険料納付月数
仮に40年、付加年金を納めた場合は年間で9万6000円が支給されます。
終身で受け取れるため、受給期間が長くなるほどお得な制度です。
付加年金はお住まいの市区町村で申し込みできます。
国民年金基金に加入していると、付加年金は利用できないので、注意してください。
3.2 小規模企業共済の活用
小規模企業共済は、経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。
1000円から7万円の中で掛金は自由に設定できますが、小規模企業共済のメリットは掛金が全て所得控除できるので、高い節税効果があります。
全国で約159万人が加入している制度なので、節税をしながら資産形成したい場合は活用しましょう。
3.3 iDeCoやNISAの活用
iDeCoやNISAも老後生活資金の活用におすすめです。
iDeCoも掛金が小規模企業共済と同様で、所得控除が受けられます。
NISAは運用益が非課税となる制度です。
2024年から制度が拡充し、非課税期間が無期限化となり、年間投資枠も拡大するので、積極的に活用しましょう。
4. 自営業者は公的年金が少ないので自己準備が重要
年金保険料を満額納めた場合は、夫婦2人で13万2500円が年金額となります。
生活費としては心もとない金額なので、年金以外の資産形成が重要になるでしょう。
付加年金や小規模企業共済をはじめ、iDeCoやNISAを活用しながら、賢く準備しましょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 厚生労働省「2021年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「付加年金」
- 独立行政法人 中小企業基盤整備機構「小規模企業共済」
川辺 拓也