厚生労働省は2023年7月28日の審議会で、最低賃金の全国平均を時給換算で41円引き上げ、1002円とする目安を定めました。41円の引き上げは過去最大で、1000円台は初となります。

ただこれは全国一律のものではなく、金額には地域によって差があります。今回は「高知県」にフォーカスし、2023年の最低賃金目安と過去10年の推移をチェックしていきます。

【高知県の最低賃金】過去20年で最大の引き上げ金額に

地域別の引き上げ金額はA~Cでランクが分かれています。Aランクは41円、Bランクは40円、Cランクは39円となります。厚生労働省の審議会では高知県をCランクに分類し、39円という引き上げ額の目安を示していました【各都道府県のランクは表1参照】。

しかし、高知労働局審議会は8月14日に目安より5円高い「44円」の引き上げ額を答申。2023年の最低賃金は「897円」となる見通しとなりました。44円の引き上げ金額は同県において過去20年で最大となります。

【高知県の最低賃金】高知県は最下位から32位へ

厚生労働省が発表している高知県の2022年の最低賃金は「853円」。これは全都道府県の中で最下位の金額(愛媛・青森・秋田・高知・佐賀・長崎・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄と同率)です。

これが「44円」の引き上げとなると最低賃金は「897円」で、島根県と並んで32位となります。他県の引き上げ金額も上振れした場合は順位も変動することになりますが、最下位から脱出する可能性は高そうです【全都道府県のランキングは図1参照 ※高知県以外の最低賃金目安は厚生労働省が7月28日に発表した数値に基づいています】。

【高知県の最低賃金】過去10年の推移をチェック

ここからは最低賃金の過去10年の推移をチェックしていきます。グラフ【図2参照】をみると2013年から2019年まで緩やかに上昇し、2019年から2020年は横ばい、2021年から再び上昇に転じているのが分かります。2020年に賃金上昇がなかったのは、コロナによる経済の停滞が原因です。

全国平均と高知県の差額は、2013年は全国平均764円に対して高知県664円で100円、2022年は全国平均961円に対して高知県853円で108円でした。2023年は全国平均1002円に対して高知県897円となり、105円差に縮まります。

【高知県の最低賃金】住んでいる都道府県の数字をチェック

今回は厚生労働省と高知労働局審議会の発表をもとに、高知県の最低賃金をみてきました。全国平均は加重平均なので、都市部の数字に引っ張られてしまいます。全国平均が1002円であっても、1000円以下の地域が大半を占めるのはそのためです。今年は物価高騰の影響もあり、各都道府県が独自に値上げに動いているので、例年以上に動向に注視する必要がありそうです。

参考資料

大蔵 大輔