2023年7月14日に公開されたスタジオジブリの映画「君たちはどう生きるか」。宮崎駿監督の10年ぶりの新作ということもあり、大きな話題となりました。

いまX(旧Twitter)上では、この問いかけに「私は路線図アートをつくりながら生きる」とアンサーを返した方の作品が注目を集めています。投稿したのは、鉄道会社のデザイナー・大森正樹さん(@RailmapD)。

当ツイートは2023年8月14日時点で約3100件を超えるいいねを集めており、「コレ、すげえ!としか言いようがない」「細かい所までじっくり見て楽しみました」「読み出すと止まらない」といった称賛のコメントが寄せられています。

※ツイート写真は【写真4枚】をご参照ください
※今回紹介するツイートは、投稿者様の許可を頂いております

SNSで注目を集めた路線図アート

『「君たちはどう生きるか」「私は路線図アートをつくりながら生きていきます」』というコメントとともに投稿されたのは、1枚の写真でした。

そこに映っているのは、どこかの駅に設置された路線図らしきもの。しかしよく見ると、映画「君たちはどう生きるか」のビジュアルのアオサギの形になっています。

駅の名前も「Howl's Moving Castle 2004(ハウルの動く城)」「Joe Hisaishi」など、ジブリ関連のもの。「君たちはどう生きるか」の作曲家、主題歌、声優などの名前もあります。見れば見るほど、おもしろさに気付く作品ですね。

柴又駅の「寅さん路線図」で有名に

出所:@RailmapD

コミュニケーションデザインを専門にしている投稿主の大森さん。こちらを公共交通の世界で活かすことで分かりやすく便利になると思ったことから、これまでに様々な公共サインや路線図アートを手掛けてきました。

映画「男はつらいよ」の50作を記念して行われたアートコンテストでは、寅さんの顔を路線図で表し、見事最優秀賞を受賞。その後、作品が京成電鉄の関係者の目に留まり、実際の柴又駅に掲出されたそうです。

大森さんが作る「路線図アート」の特徴は、路線図がデザインされているだけではなく、ある風景の中に溶け込んでいるような状況にしていることもポイントなのだそう。

今回の「君たちはどう生きるか」の路線図は、駅名を全部英文字(ローマ字)表記にしていたため、欧米の駅が良いだろうと、ストックしている写真からニューヨークのペンステーションを選んだそうです。

さらに路線図をよく見ると、右下の方に本物のアオサギが映り込んでいます。こちらは京都の鴨川で歩いていたアオサギを撮影したものだとか。「気づく人がいたら、喜んでもらえるだろう」という大森さんの遊び心が光っていますね。