株式を購入する際に、皆さんが気にするポイントは何でしょうか。

それぞれの人によって、株式を購入する理由は異なると思います。例えば、「その会社の商品を愛用しているから」とか、「経営哲学に好感が持てるから」といった理由です。しかし、多くの人が気にするのはやはり「リターン」ではないでしょうか。

株主優待や配当は、リターンを実感しやすい要素かもしれません。しかし、株価は市場の動向や企業の業績に影響を受けて変動し、リターンに大きな影響を与えます。

株式投資を行う場合、株価の上昇や下落には細心の注意を払っておく必要があります。

そこで今回は、JT(2914)について、「1年前に100株を買った人の、本当のリターン」を振り返っていきます。

JTの直近の株価推移(終値ベース:円)

出所:各種資料をもとに筆者作成

それではまず、配当金について見ていきましょう。

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※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。※記事中で記載の株価は全て終値となっています。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

JT(2914)の配当金のリターンはいくらか

JTの株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、2022年12月期の期末配当と2023年12月期の中間配当の計2回を受け取ることができます。

なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。

今回の検証では、以下のような想定となります。

  • 株式の取得日:2022年8月10日
  • 株式の取得価格:2315円(取得日の終値)
  • 2022年12月期・期末配当:113円
  • 2023年12月期・中間配当(予想):94円
  • 100株ベースの配当金のリターン:2万700円

それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。

JT(2914)の株主優待のリターンはいくらか

JTは決算期(2023年12月期)現在、12月31日を基準日に100株以上を1年以上保有する株主を対象として、グループ会社等の商品を贈呈しています。

たとえば2023年度(2022年12月31日基準日)を例とすると、「2021年12月31日、2022年3月31日、6月30日、9月30日、12月31日現在」の株主名簿に記録されており、すべての時点で保有株式数が100株以上であることが条件となります。

今回の検証では、上記条件を満たさないため、優待のリターンは0円とします。

※なお、JTは2023年の株主優待商品の発送をもって、株主優待制度を廃止します。

JT(2914)の株式投資のトータル・リターンはいくらか

以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。

次に、株価変動によるリターンを計算します。

  • 株式の取得日:2022年8月10日
  • 株式の取得価格:2315円(取得日の終値)
  • 取得から1年後の日付:2023年8月10日
  • 1年後の株価の終値:3110円
  • 100株ベースの株価変動によるリターン:+7万9500円

そして最後に、トータル・リターンを計算します。

  • 配当金のリターン:2万700円
  • 株主優待のリターン:0円
  • 株価変動によるリターン:+7万9500円
  • トータル・リターン(金額ベース):+10万200円
  • トータル・リターン(%ベース):+43.3%

リターンの計算は以上となります。

JT(2914)に今後も注目

配当金の推移

出所:日本たばこ産業株式会社「配当」

JTの株式の年間リターンは+43.3%となりました。

配当金、優待、株価といった要素を総合的に考えると、株式投資のリターンがどのように決まるのかがわかります。

企業の業績などに関するニュースをチェックすることで、株価の動きとの関連性が見えてくるかもしれません。

この記事を読んで株式投資に興味が湧いた方は、証券口座の開設を検討してみるのもいいかもしれませんね。

証券口座は人によって合うものが異なりますので、まずは情報を集めることから始めるといいでしょう。

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参考資料

LIMO編集部