配当金や株主優待を目的に株式投資を行っても、日々の株価の変動は気になるものです。長期投資であっても身銭を切って投資しているので、株価が気になるのは仕方ありません。
株価の変動は、企業業績のみならず日本そして世界経済全体の流れからも大きな影響を受けます。そして株価の変動は、株式のリターンに大きな影響を与えます。
よって配当や優待を目的に株式に投資した場合でも、「株価の値上がり・値下がり」は株式のリターンとしては欠かすことができない要因です。
今回は日本郵船(9101)について、配当金やと株価をあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン※」を確認します。
※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
1. 日本郵船(9101)の配当金のリターンはいくらか
日本郵船の株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年3月期の中間配当」と「2023年3月期の期末配当」の計2回を受け取ることができます。
なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。
今回の検証では、以下のような想定となります。
- 株式の取得日:2022年8月30日
- 株式の取得価格:3586円(取得日の終値)
- 2023年3月期・中間配当:350円※
- 2023年3月期・期末配当:170円※
- 100株ベースの配当金のリターン:5万2000円
※日本郵船は2022年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っているため、分割後で試算
それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。
2. 日本郵船の株主優待のリターンはいくらか
日本郵船は決算期(2023年3月期)現在、100株以上保有する方に向けて飛鳥クルーズの優待割引券を提供しています。
株数に応じて、「決算期後の7月1日より翌年9月30日までのクルーズ」で「優待割引券1枚につき1クルーズ1名様10%の割引」が利用できます。
- 100株以上 1500株未満:3枚
- 1500株以上 3000株未満:6枚
- 3000株以上:10枚
今回は試算のために2023年8月23日出港の「横浜・神戸 夏休みクルーズ」で客室タイプ「K:ステート」を利用する場合を考えると11万7500円になり、概算で1枚1万1750円の経済価値と想定します。
そのため、優待のリターンは3万5250円とします。