純損益254億の赤字、東芝1Q。8日開始のTOBにより上場廃止へ半導体メモリー大手・キオクシアの損失が大きく影響

東芝の子会社東芝テック自己株公開買付け

2023年8月7日、同社の連結子会社である東芝テック株式会社（6588）は自己株式の公開買付けを2023年8月8日から開始すると発表した。買付価格は3,575 円として、広く株主全般から取得する株式公開買付けの手法を採用する。広く募りはするが、一定数は同社から買付けを行うこととなる。

なお、当該公開買付けにおいて応募意向株式のすべてが買い付けられた場合でも、同社の東芝テックに対する議決権比率は 50.08％となり、引き続き東芝テックは同社の子会社となる。

【図表4】

2023年8月7日、TBJH合同会社（=投資ファンドの日本産業パートナーズ（JIP）が設立した特別目的会社）は、2023年8月8日から同社への株式公開買付け（TOB、以下「本買付け」という）を開始すると発表した。

同日に、同社も取締役会決議にて、本件買付けに賛同し株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議した。

買付価格は4620円で、TBJH合同会社は同社の全株取得を目指す。公開買付けが成立すると後、同社は上場廃止となり74年間の上場の歴史に幕を閉じることとなる。

【図表5】

同社は、平均連結配当性向30％以上の実現を基本とし、適正資本水準を超える部分については、自己株式取得を含む株主還元の対象としてきた。

本公開買付けにおける当社株式1株あたりの買付価格は、2023年9月30日を基準日とする剰余金の中間配当（以下「中間配当」という）が行われないことを前提に判断・決定されている。同社は公開買付けに賛同したため、中間配当を行わないこととした。

2024年3月期第1四半期連結決算の発表前となる、2023年8月7日の終値は4584円であった。

年初来高値は2023年2月8日の4728円である。

1Q決算および本公開買付け発表を受けて、2023年8月8日の終値は4610円となった。

石川貴康