老齢年金は2カ月に1回支給されており、今月の8月15日は年金支給日です。

会社員や公務員としての勤務経験がある人は、厚生年金をもらえます。厚生年金の平均受給額は月額15万円です。

では、年齢によって年金受給額は異なるのでしょうか。本記事では、65~90歳の年齢別に平均年金受給額を解説します。

また、年金のベストな受取開始時期についても紹介するので、参考にしてみてください。

1. 厚生年金「65歳~90歳まで」平均的な受給額はいくら?

まずは、65~90歳の年齢ごとの平均年金額を確認しましょう。

厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65~90歳以上が受け取る平均年金額は以下のとおりです。

 

1.1 65~90歳の厚生年金受給者がもらう年金月額

  • 65歳:14万5372円
  • 66歳:14万6610円
  • 67歳:14万4389円
  • 68歳:14万2041円
  • 69歳:14万628円
  • 70歳:14万1026円
  • 71歳:14万3259円
  • 72歳:14万6259円
  • 73歳:14万5733円
  • 74歳:14万5304円
  • 75歳:14万5127円
  • 76歳:14万7225円
  • 77歳:14万7881円
  • 78歳:14万9623円
  • 79歳:15万1874円
  • 80歳:15万4133円
  • 81歳:15万6744円
  • 82歳:15万8214円
  • 83歳:15万9904円
  • 84歳:16万349円
  • 85歳:16万1095円
  • 86歳:16万2007円
  • 87歳:16万1989円
  • 88歳:16万952円
  • 89歳:16万1633円
  • 90歳以上:16万460円

※国民年金部分を含む

年齢が高くなるほど、やや年金受給額の水準は上がっています。

全年齢において平均受給額は14万円超えです。生活水準にもよりますが、毎月14万円もらえれば年金だけで生活できる人もいるでしょう。

ただし、厚生年金は現役時代の年収(上限あり)や勤務期間によって受給額が異なります。一般的には平均年収が高く勤務期間が長い人ほど、高額な年金を受給可能です。

人によっては、実際の受給額が平均受給額よりも大きくずれる場合があることを覚えておいてください。

2. 年金は受給開始年齢を変えられる

年金は65歳から受取を開始するのが一般的ですが、実は60〜75歳の間で受給開始年齢を変更できます。

「繰上げ受給」で受給開始を早めれば年間にもらえる年金額は減額となり、「繰下げ受給」で受給開始を遅らせれば、年間に受け取る年金額が増える仕組みです。

75歳まで受取を遅らせれば、65歳から受取を開始する場合と比べて年間に+84%ももらえる年金が増えます。

3. 厚生年金月額15万円「60~75歳まで」1歳刻みで年金額を試算

では、実際に受給開始年齢を遅らせるといくら年金額が変動するのかをシミュレーションしてみましょう。

65歳で受取を開始した場合にもらえる年金が月額15万円の人でシミュレーターしてみます。シミュレーション結果は以下のとおりです。

 

3.1 「60~75歳」受給開始年齢ごとの厚生年金月額

  • 60歳:月額11万4000円
  • 61歳:月額12万1200円
  • 62歳:月額12万8400円
  • 63歳:月額13万5600円
  • 64歳:月額14万2800円
  • 65歳:月額15万円
  • 66歳:月額16万2600円
  • 67歳:月額17万5200円
  • 68歳:月額18万7800円
  • 69歳:月額20万400円
  • 70歳:月額21万3000円
  • 71歳:月額22万5600円
  • 72歳:月額23万8200円
  • 73歳:月額25万800円
  • 74歳:月額26万3400円
  • 75歳:月額27万6000円

75歳まで受取開始を遅らせれば、月額27万6000円もの年金をもらえます。一方で、60歳から受取を開始した場合、月額でもらえる年金は11万4000円と少額です。

では、いつから年金の受取を開始するのがもっともお得なのでしょうか。結論、寿命によってお得な受取開始時期は異なります。

例えば、76歳到達時点で死亡する場合の受取開始年齢ごとにもらえる総年金額は以下のとおりです。

受取開始年齢                      総年金受給額

  • 60歳                       2188万8000円(16年間×12ヵ月×月額11万4000円)
  • 65歳                       1980万円(11年間×12ヵ月×月額15万円)
  • 70歳                       1533万6000円(6年間×12ヵ月×月額21万3000円)
  • 75歳                       331万2000円(1年間×12ヵ月×月額27万6000円)

※税金や社会保険料は考慮しない

この場合、60歳から受取を開始すれば、より多くの年金を受け取れます。

一方で、90歳到達時点で死亡する場合はどうなるのでしょうか。受取開始年齢ごとにもらえる総年金額は以下のとおりです。

受取開始年齢                      総年金受給額

  • 60歳                       4104万円(30年間×12ヵ月×月額11万4000円)
  • 65歳                       4500万円(25年間×12ヵ月×月額15万円)
  • 70歳                       5112万円(20年間×12ヵ月×月額21万3000円)
  • 75歳                       4968万円(15年間×12ヵ月×月額27万6000円)

※税金や社会保険料は考慮しない

90歳到達時点で死亡する場合、70歳から受取を開始すればより多くの年金を受給可能です。

このように、寿命によって得をする年金の受取開始年齢は異なります。そのため、一概に「〇〇歳から年金の受取開始をすればお得」と言い切ることはできません。慎重に検討しましょう。

4. 繰下げ受給を利用して年金月額を増やす方法も

本記事でシミュレーションしたとおり、もっとも得をする年金の受給開始年齢はその人の寿命によって異なります。ただし、寿命を事前に予測するのは困難です。

予想外に長生きすると、生活費が不足するリスクがあります。そのため、長生きリスクに備えるためには繰下げ受給により毎月の年金受給額を増やしたほうがいいでしょう。

ただし、それまでの生活費が必要となりますので、総合的に考えて検討してみてください。

参考資料

苛原 寛