3.1 「60~75歳」受給開始年齢ごとの厚生年金月額
- 60歳:月額11万4000円
- 61歳:月額12万1200円
- 62歳:月額12万8400円
- 63歳:月額13万5600円
- 64歳:月額14万2800円
- 65歳:月額15万円
- 66歳:月額16万2600円
- 67歳:月額17万5200円
- 68歳:月額18万7800円
- 69歳:月額20万400円
- 70歳:月額21万3000円
- 71歳:月額22万5600円
- 72歳:月額23万8200円
- 73歳:月額25万800円
- 74歳:月額26万3400円
- 75歳:月額27万6000円
75歳まで受取開始を遅らせれば、月額27万6000円もの年金をもらえます。一方で、60歳から受取を開始した場合、月額でもらえる年金は11万4000円と少額です。
では、いつから年金の受取を開始するのがもっともお得なのでしょうか。結論、寿命によってお得な受取開始時期は異なります。
例えば、76歳到達時点で死亡する場合の受取開始年齢ごとにもらえる総年金額は以下のとおりです。
受取開始年齢 総年金受給額
- 60歳 2188万8000円(16年間×12ヵ月×月額11万4000円)
- 65歳 1980万円(11年間×12ヵ月×月額15万円)
- 70歳 1533万6000円(6年間×12ヵ月×月額21万3000円)
- 75歳 331万2000円(1年間×12ヵ月×月額27万6000円)
※税金や社会保険料は考慮しない
この場合、60歳から受取を開始すれば、より多くの年金を受け取れます。
一方で、90歳到達時点で死亡する場合はどうなるのでしょうか。受取開始年齢ごとにもらえる総年金額は以下のとおりです。
受取開始年齢 総年金受給額
- 60歳 4104万円(30年間×12ヵ月×月額11万4000円)
- 65歳 4500万円(25年間×12ヵ月×月額15万円)
- 70歳 5112万円(20年間×12ヵ月×月額21万3000円)
- 75歳 4968万円(15年間×12ヵ月×月額27万6000円)
※税金や社会保険料は考慮しない
90歳到達時点で死亡する場合、70歳から受取を開始すればより多くの年金を受給可能です。
このように、寿命によって得をする年金の受取開始年齢は異なります。そのため、一概に「〇〇歳から年金の受取開始をすればお得」と言い切ることはできません。慎重に検討しましょう。
4. 繰下げ受給を利用して年金月額を増やす方法も
本記事でシミュレーションしたとおり、もっとも得をする年金の受給開始年齢はその人の寿命によって異なります。ただし、寿命を事前に予測するのは困難です。
予想外に長生きすると、生活費が不足するリスクがあります。そのため、長生きリスクに備えるためには繰下げ受給により毎月の年金受給額を増やしたほうがいいでしょう。
ただし、それまでの生活費が必要となりますので、総合的に考えて検討してみてください。
参考資料
苛原 寛