コロナ禍の影響で2020年以降の夏休みは自粛ムードとなり、子どものいる家庭では思うように家族で出かけるのが難しい夏が続きました。

しかし、今年は各地でお祭りや花火大会が通常開催され、久しぶりに夏を満喫できる雰囲気が戻ってきました。

季節休みの中でもとりわけ長く、海水浴や川遊び、キャンプや家族旅行に祖父母宅にお泊りと色々な経験を積める夏休みは子どもの成長にとって大切な休みです。

でも、そうした体験は全くお金がかからないものではありません。遠出するには交通費やガソリン代に外食、外泊費がかかり、祖父母の家に泊まりに行くにもお土産代が発生します。

夏の体験機会は家庭の経済力次第となり、子どもの機会格差につながりやすくなっています。どうすれば、経済力に左右されず子どもの経験を増やしていけるのか考えていきます。

スポーツや様々な体験も経済力で差が出ている

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンが2023年7月26日に最終報告を発表した「子どもの「体験格差」実態調査~全国の小学生保護者2,097人へのアンケート調査~」(調査期間2022年10月12日~10月14日)によると、アンケート調査の直近1年間で世帯年収300万円未満の家庭の子ども約30%が学校外での活動(水泳やピアノ等の習い事や自然体験など)を行っていないことが明らかとなりました。

同じ質問で世帯年収600万円以上の家庭の子は11.3%と、両者は3倍近い差があります。この結果はニュースなどでも取り上げられ、経済力の差は学力だけではなく子どもの体験格差にも繋がることが浮き彫りとなりました。

習い事は昭和の頃から裕福な家庭の子は水泳やピアノ、ソロバンに書道とかけもちをしているのは珍しくありませんでした。

子どもながらに習い事の数で「経済力の違い」を肌で感じることは多々ありましたが、夏休みの虫取りや田舎の祖父母の家で自然体験をすることは、経済力に関係なく経験するハードルが低かったです。