かつては平等に体験機会を与えた地域の繋がり

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今の親世代が子どもの頃は、子供会や町内会のように地域社会と子どもを繋げる組織がありました。現在もありますが、人口減や共働き世帯の増加、そしてコロナ禍を契機に活動が縮小または廃止されているところも少なくありません。

かつて、こうした地域の組織に属していると、異学年と遊ぶ機会や季節行事、レクリエーション活動が一年を通して定期的に行われていました。

夏休みはプールやバーベキューなどをしにバスで出かけることもあり、会費は発生するものの、加入していれば家庭の経済事情に関係なく、子どもたちが平等に何かしらの体験をすることができたのです。

筆者自身、家庭は裕福ではなく、家族旅行に出かけたこともありませんでしたが、子供会のイベントで色々と体験することができました。

しかし、地域との繋がりも希薄になってくると、学校外での体験は各家庭任せになっていきます。世帯年収が少なければ、習い事やサマースクールにお金を出すことは難しく、「子ども時代に何を体験したか」は経済事情で差が出やすくなっています。