3. 繰上げ受給を検討したほうがよい人は?
一般的には公的年金の繰上げ受給は推奨されませんが、中には繰上げ受給を検討したほうがよい人もいます。どんな人が繰上げ受給に適しているかを解説します。
3.1 貯蓄が少なく、働けない人
まとまった老後資金の準備が準備できておらず、また事情により働けない人は年金の繰上げ受給を検討したほうがよいでしょう。
なるべく繰上げ受給はしないほうがよいといっても、生活に困窮する人には年金は役立ちます。困ったときはカードローンなどを利用せず、年金の受給手続きをしましょう。
3.2 年金が多少減っても若いうちにもらいたい人
金額が多少減額されても年金を早く受け取り、自分の好きなことに使いたい人は繰上げ受給をしてもよいでしょう。
一般的に60代前半の人は健康面で現役世代の人と大きな差はなく、旅行やスポーツなどを楽しめます。お金を残すことにこだわらず、健康なうちにしかできないことをしたい人はその価値観を大切にするとよいでしょう。
ただし、繰上げ受給によって不利になる点についての理解は必要です。
3.3 長生きに自信がない人
持病で入退院を繰り返していたり、がんなどで余命宣告を受けていたりして長生きにあまり自信のない人は、年金を繰上げ受給してもよいでしょう。
ただし、繰上げ受給をすると障害年金の請求ができなくなります。障害年金はがんや糖尿病なども対象になるため、条件についてよくわからない場合は年金事務所に相談しましょう。
4. 年金の繰上げは慎重に判断しましょう
年金の繰上げ受給は減額された年金を一生涯受け取る、一度請求すると取り消せないなど、不利になる点がいくつかあります。そのため、慎重に検討しましょう。
人の寿命を予想するのは困難なため損得だけで判断せず、60歳以降の過ごし方や財産状況などを総合的に考えることが大切です。セカンドライフのために後悔のない選択をしましょう。