ソフトバンク株式会社(9434)(以下「同社」という)が、2024年3月期第1四半期連結決算(対象期間:2023年4月1日~2023年6月30日)を発表した。

同社は、ソフトバンクグループ株式会社(9984)の連結子会社である。

すべてのセグメントで増収となり、営業利益(=セグメント利益)も年間計画どおりに進捗している。

同社が最重要指標とする純利益は、前年同期比+15.4%の1467億円となった。

ソフトバンクのセグメント名称変更

同社グループは、2023年6月30日に終了した3カ月間(当第1四半期)より報告セグメントの名称を一部見直した。変更は以下の【図表1】のとおりである。

なお、当該変更はセグメント名称のみを変更するものであり、セグメントの区分、範囲、測定方法への変更はない。

ソフトバンクの中期経営計画(2023~2025年度)

2023年5月11日、同社は中期経営計画(2023~2025年度)を発表した。

中期経営計画は当第1四半期より適用となるため、1Q業績を見る前に概要を確認する。

ソフトバンクの成長戦略

「Beyond Carrier」戦略を推進し、通信事業の枠を超えた「DX/ソリューション」「金融」「ヤフー/LINE」「新領域」などの分野で積極的な事業展開を目指すとした。

ソフトバンクの財務目標

純利益を最重要指標とし、2025年度には最高益の5350億円を目指すとした。

また、1株当たりの配当金は86円と高水準の株主還元を維持する計画を示した。

ソフトバンクの当第1四半期連結業績

ソフトバンクの売上高

1Q売上高は、全セグメントで増収となり、前年同期比+5.0%の1兆4297億円となった。

同社売上高の98.6%を占めるコンシューマ事業は、前年同期比+5.0%の増収となった。2021年春に実施した通信料値下げによりモバイル売上が減少した一方で、スマートフォンなどの販売単価増加により物販等売上が増加したことによる。

ファイナンス事業は、2022年10月に子会社化したPayPay株式会社の影響などにより前年同期比+184.8%という大幅な増収となっている。

また、ディストリビューション事業は、ICT(情報通信技術)関連の商材およびサブスクリプションサービスの堅調増加などにより前年同期比+15.7%の増収であった。

ソフトバンクの営業利益

1Q営業利益は、前年同期比+2.1%の2463億円であった。

メディア・EC事業が、LINE株式会社のAIカンパニー事業における事業譲渡益の計上などにより前年同期比+30.8%の増益となり営業利益(=セグメント利益)562億円を計上したことが大きく影響した。

ソフトバンクの親会社の所有者に帰属する純利益

1Q親会社の所有者に帰属する純利益は、前年同期比+15.4%の1467億円となった。

Webtoon Entertainment Inc.に対するZホールディングスグループの持分比率変動で発生した持分変動利益の計上、および営業利益が増加したことが主な要因である。

ソフトバンクの生成AIサービスへの参入

2023年8月4日、生成AT(人工知能)サービスの開発・販売を行う新会社「SB Intuitions株式会社」(エスビーインテュイッションズ、以下「SB Intuitions」という)が2023年8月1日から本格稼働したことを公表した。SB Intuitionsは、同社の100%子会社となる。

SB Intuitionsは、日本語に特化した、国産の大規模言語モデル(LLM)の研究開発(自社開発)に取り組む。日本語に特化することで海外発の生成AIサービスとの差別化を図る。

取り扱うデータは、国内のデータセンターのみで管理し安全性が高い環境で開発を行うと明らかにしている。

ソフトバンクの業績予想

2024年3⽉期の通期連結業績予想は、2023年5⽉10⽇公表値を据え置いた。

売上高6兆円、営業利益7800億円、親会社の所有者に帰属する純利益4200億円を予想する。

ソフトバンクの配当

配当予想は据え置き、1株当たり年間配当額は前期と同額の86円を予想する。

ソフトバンクの株価

2024年3月期第1四半期連結決算の発表前となる、2023年8月4日の終値は1559円であった。

年初来高値は、2023年7月31日の1581円である。

当第1四半期連結決算の発表を受けて株価がどのように変動するか注視したい。

参考資料

石川 貴康