内閣府が公表した資料によると働くシニアが増えているようです。

70~74歳の2012年時点での就業率は23.0%ですが、2022年には33.5%と10%も増加しています。

日本のシニアはお金持ちと言われることも多いですが、懐事情が変わってきたのかもしれませんね。
 
老後の懐事情を考える上でまず知っておくべきことは、老後の収入源である年金です。年金が十分であれば働いて収入を得る必要は無くなるため、就業率にも影響を与えるでしょう。

そこで今回は70~89歳のシニア世帯が受け取る年金額を確認し、変わりつつある老後の懐事情を考察していきます。

1. 国民年金と厚生年金のしくみを図で解説

年金額を確認するには、国民年金と厚生年金それぞれにわけて考える必要があります。

そこで、この章では公的年金について整理します。

図のとおり、公的年金は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。

1階部分である国民年金には、原則として日本に住む20歳から60歳未満の方が加入。そして2階部分にあたる厚生年金には、会社員や公務員などが上乗せとして加入します。

このうち、厚生年金は受給額の個人差が大きいことが特徴です。

厚生年金は国民年金と違い、加入期間や現役時代の報酬により、老齢厚生年金の支給額が決定するという仕組みになっています。

これらの年金額について、それぞれの平均額を年代別に見ていきましょう。