70歳代は約2割が貯蓄ゼロ

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]」によると、令和4年における70歳代の平均貯蓄額は1755万円です。

この平均額は20歳~70歳代の中で最も多い結果となっており、豊かな老後生活を送っている人が多いように見えます。

しかし、どの世帯も十分な貯蓄があるかというとそうではありません。

70歳代では21.8%が「金融資産を保有していない」と回答しており、約2割の人が貯蓄ゼロの状況です。

このことから、70歳代では十分な資産を保有している人とそうでない人とで二極化していることが分かります。

70歳代は積極的な資産運用に取り組む人も多い

同調査では、保有している金融商品の内訳に関する調査も行われました。

70歳代では、株式を保有している人が38.0%、投資信託を保有している人が25.9%で、株式については全世帯の中で最も多い割合となっています。

現役世代を引退して、株式投資に充てる時間が多くなった人もいるのかもしれません。

筆者は銀行員として働いてきましたが、株式投資を「老後生活の楽しみ」や「脳トレの一環」として取り組む人にも多く出会いました。

また、老後に資産運用を楽しんでいる人は、若いうちからきちんと投資を学んできた人が多い傾向にあります。

収入が限られる老後生活では、経験ゼロの人がいきなりリスクのある金融商品にチャレンジするのは難しいためです。

若い頃から資産運用に取り組んできた人は自分のリスク許容度も理解しているので、老後生活においても適切なリスクコントロールをしながら資産運用を楽しむことができます。