新型コロナウイルスが5類感染症に移行して約3ヶ月。人々の外出が活発化し、電車内も以前のような混雑が戻ってきています。今回は2023年7月14日に国土交通省が発表した「都市鉄道の混雑率調査結果」をもとに、東京・渋谷と神奈川県・横浜を結ぶ「東急東横線」の最混雑区間&混雑率をチェックしていきます。
【東急東横線の最新データを分析】東京圏の平均混雑率は123%
同調査によると、2022年度の東京圏における都市鉄道の平均混雑率は123%(前年108%)。大阪圏は109%(前年104%)、名古屋圏は118%(前年110%)となっており、いずれも混雑率が上昇していますが、その中でも東京圏の15ポイント増は特に高い数値であることが分かります。
※混雑率=最混雑時間帯1時間の平均(主に2022年10月~11月の1日または複数日の乗車人員データを基に計算したもの)
ただ、コロナ前の水準に戻ったかというと、けしてそういうわけではないようです。国土交通省が1975年(昭和50年)から統計をとっている混雑率の推移をみると、東京圏におけるコロナ前(2019年)の混雑率は163%。最新年の123%より40ポイント高くなっています【図1参照】。
ちなみに国土交通省が示している混雑率の目安は100%で「定員乗車(座席につくか、吊革もしくはドア付近の柱につかまることができる)」、150%で「広げて楽に新聞が読める」となっています。つまり123%は個人のパーソナルスペースは十分に確保できる混雑率といえます【表1参照】。