3. 【60歳以上】約9割が「働きたい」と回答
内閣府の「令和5年版高齢社会白書(全体版)」によると、高齢者の経済生活に関する調査の結果、現在仕事をして収入を得ている60歳以上のうち約4割が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答していることがわかりました。
65歳くらいまで、70歳くらいまで、75歳くらいまで、80歳くらいまでと上限を設けて「働きたい」と回答している人を含めると、約9割の人が60歳以降も働く意欲を持っていることがわかります。
ご参考までに、2021年4月1日より、70歳までを対象に就業機会を確保することが企業の努力義務となっています。すでに「定年制の廃止」や、「定年年齢の引き上げ」または「継続雇用制度導入」のいずれかが義務づけられており、65歳までの雇用機会は拡大しつつあるようです。
雇用側の高齢者を対象とする受け入れ体制が整っていくのであれば、一般的に「老後」といわれるシニア世代も働く方が増えていくかもしれないですね。
4. 老後に向けてプランニングを。
60歳代の貯蓄額の中央値、65歳~69歳の国民年金・厚生年金の平均受給月額について見てきました。
老後の生活を支えるであろう公的年金の受給額は、頼りないといわざるを得ない結果でしたね。また、個人差はあるものの、貯蓄額についても長い老後をともにするには厳しいと思われる方が多いことも分かりました。
老後も働いて収入を得るから貯蓄がなくても「なんとかなるだろう」という考えもあるかもしれません。しかし、体力面・健康面といった抗えない理由によって、バリバリ働き続けることが難しくなる可能性もあるでしょう。
不確定な老後生活ですが、だからこそ安心して老後を迎えられるよう「備え」が必要です。
まずはご自身の年金見込額をチェックして、老後生活を想像してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 内閣府「令和5年版高齢社会白書(全体版)」
和田 直子