みなさんは宝くじを買ったことはありますか。
買ってから当選発表までは「もし当選したら」と期待に胸を膨らませて、海外旅行へ行く妄想や好きなものを好きなだけ買う夢を持ってしまいます。
ただ、いざ外れるとわかってはいるものの、外れたときは少し落胆してしまうでしょう。
期待が大きいほど、予想通りの結果ではなかったときの落胆度合いは大きいものです。
それは、みなさんが将来受け取る公的年金にもあてはまるかもしれません。
公的年金は年金の額面と実際の振込額(手取り額)が違います。これは、公的年金にも現役時代と同じように色々と天引きされるお金があるからです。額面をすべて受け取れると期待していると、思わぬ落胆を招いてしまいます。
今回は年金支給月の8月を前に、いまのシニア世代の「平均年金受給額」と「年金から天引きされるもの」について、厚生年金を中心にみていきます。
1. 【厚生年金】日本の公的年金制度は「2階建て」
まず、日本の公的年金制度について見ていきましょう。
公的年金は、20〜60歳未満の国内に住むすべての人が加入する「国民年金」と、会社員や公務員などが加入する「厚生年金」から成り立っており、「2階建て構造」と呼ばれております。
1.1 【1階部分:国民年金】
- 第1号被保険者:自営・20歳以上の学生など
- 第2号被保険者:会社員・公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者
1.2 【2階部分:厚生年金】
- 厚生年金保険に加入している会社や官公庁などの適用事業所に一定時間勤務する70歳未満の方
国民年金の保険料は一律のため、全期間(480カ月=40年)のうち未納や免除などの納付状況によって受給額に個人差が生じます。一方で、厚生年金は現役時代の収入や加入期間により個人差が生じます。
次にいまのシニアはどのくらいの厚生年金をもらっているのか見ていきます。