株式を買う際、配当や優待だけでなく、気になるのが「株価の変動」でしょう。

配当や優待を受けとっていても、株価の変動は社会情勢や企業業績などによって時に大きく動き、リターンに影響を与えるもの。

株式投資において、「株価の値上がり・値下がり」は見逃せない要因です。

今回は商船三井(9104)について、配当金や株主優待、株価もあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン」を確認します。

※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。

1. 商船三井(9104)の配当金のリターンはいくらか

商船三井の株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年3月期の中間配当と2023年3月期期末配当」の計2回を受け取ることができます。

出所:株式会社商船三井「2023年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」

なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。

今回の検証では、以下のような想定となります。

  • 株式の取得日:2022年8月1日 
  • 株式の取得価格:3775円(取得日の終値)
  • 2023年3月期・中間配当:300円 
  • 2023年3月期・期末配当:260円
  • 100株ベースの配当金のリターン:5万6000円

それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。

2. 商船三井の株主優待のリターンはいくらか

商船三井は決算期(2023年3月期)現在、100株以上保有する方に向けて「にっぽん丸」クルーズ優待を3月9月の年2回、フェリーサービス「さんふらわあ」優待を9月の年1回提供しています(配布枚数は株数により異なる)。

出所:株式会社商船三井「株主優待制度」

出所:株式会社商船三井「株主優待制度」

「にっぽん丸」クルーズは、プランによって価格が異なります。ここでは、8月開催横浜港出発の「夏休み館山花火と伊勢志摩クルーズ」を選んだ場合について試算します。スタンダードステートを選択した場合、2名1室利用時大人一人16万8000円です。1クルーズで1人2枚ご利用の場合、旅行代金を20%割引できます。そのため、3万3600円分お得になります。

優待券は年2回配布されるため、もう1度同じようなプランで優待を利用したと仮定します。すると、1年で6万7200円分の割引が使えることになります。

フェリーサービス「さんふらわあ」は、大人運賃1名1乗船(片道)について、5000円割引となります。そのため、優待のリターンは7万2200円です。

加えて、商船三井は2024年3月末日時点で2年以上300株以上保有している株主に向けて、新しい株主優待を実施することを公表しました。