老後に受け取る年金から、天引きされるお金があることはご存知でしょうか。

毎月受け取る給料からも税金や保険料などが引かれていますが、実は年金からも同じように天引きされるのです。

財務省によると、3年連続で税収が増加しており、2022年度は過去最高水準となりました。

年々、税率が上がり私達の生活を圧迫しているのは事実です。

そんな税金ですが、老後の収入源である「年金」からどんな税金が引かれているのかを確認しつつ、天引きされない人の特徴についても解説していきます。

1. 厚生年金と国民年金から「税金と社会保険料」が天引き!

厚生年金や国民年金から天引きされるお金には、税金2種類と社会保険料3種類があります。くわしく見ていきましょう。

1.1 税金①所得税と復興特別所得税

公的年金に所得税が課税されます(所得の種類は雑所得)。

また「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税の源泉徴収の際に併せて復興特別所得税もかかります。

これらの所得税及び復興特別所得税が課税される場合、原則として年金より源泉徴収されます。

1.2 税金②個人住民税

前年中の所得に対し、住民税も課税されます。

住民税についても、基本的には年金からの天引きで納めます。もし天引きの対象でない場合は、普通徴収(口座振替や納付書等)で納めます。

所得額によっては非課税の場合もあります。

1.3 保険料①介護保険料

65歳になると、介護保険料は健康保険料と引き離して単独で支払うことになります。

介護状態になれば介護保険料の支払いが終わると勘違いする方もいますが、基本的には年金天引きにて一生涯支払い続けます。

1.4 保険料②国民健康保険料(税)

国民健康保険とは、協会けんぽや健康保険組合などの会社の保険に加入していない75歳未満の方が加入する公的健康保険です。

65歳から74歳までの世帯の場合、原則として、国民健康保険の保険料(税)も年金から天引きされます。

1.5 保険料③後期高齢者医療制度の保険料

国民健康保険や会社の保険に加入していた方でも、75歳に到達すると「後期高齢者医療制度」という公的保険に加入します。

「後期高齢者医療制度」の保険料も、原則として年金天引きで納めます。

※国民健康保険と後期高齢者医療制度はいずれかの加入になるため、同時に天引きされることはありません。