特別養護老人ホームと有料老人ホームの違い

特別養護老人ホームへの入所を検討するときに、よく比較されるのが有料老人ホームです。
ここでは、特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いを紹介していきます。

以下は、特養と有料老人ホーム(介護付き・住宅型)の特徴を比較した表です。

出所:厚生労働省「介護報酬/4. 介護報酬の算定構造」「介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」/サービスにかかる利用料」、PwC コンサルティング合同会社「令和3年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分) 高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究 報告書」をなどを参考に、筆者作成

上記の通り、特別養護老人ホームと有料老人ホームの決定的な違いは、運営主体です。

特養は、公的施設のため、自治体や社会福祉法人などが運営主体となります。

一方で、有料老人ホームは、民間施設のため、主に民間企業が運営しています。そのため、料金やサービス内容、入居対象者などは運営側が自由に決められる部分が大きく、施設ごとに特色が異なります。

特養と比べると費用は高めですが、サービスを充実させている施設も多いので、ニーズに合った施設が見つかりやすいでしょう。施設数も多く、比較的入居しやすいことも特養と異なる点です。

また、入居対象も自立〜要介護5までと幅広いので、要介護度の条件を気にすることなく申し込むことができます。

特別養護老人ホームと有料老人ホームのどちらを選ぶ?

今回は、特別養護老人ホーム(特養)に「向いている人・向いていない人」を解説したあと、特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いについても整理しました。

入居するご本人やご家族が「何を優先したいのか」考えて、どちらを選ぶかを選択すると良いでしょう。

例えば、「費用をできるだけ抑えたい」方は、特別養護老人ホームが向いています。ただし、待機期間が長くなる場合があることは把握しておきましょう。

「できるだけ早く老人ホームに入居したい」場合は、有料老人ホームが向いています。施設数が多いので、一般的に特養よりも早く入居できます。

なお「特別養護老人ホームに申し込みながら、順番が来るまで有料老人ホームで過ごす」ことも可能です。

入居するご本人や家族の状況によって、有料老人ホームに一時的に入居することも選択肢に入れると良いでしょう。

参考資料

 

中谷 ミホ