東京製鐵株式会社(5423)(以下「同社」という)が、2024年3月期第1四半期決算(対象期間:2023年4月1日~2023年6月30日)を発表した。
民間設備投資等による需要が堅調で、製品出荷単価が想定を上回り、出荷数量も増加した。その結果、売上高が1028億円で過去最高を達成した。
各段階利益はすべて前年同期比で増益となった。
また、同社は、当上期と通期について、業績予想の上方修正も行った。

東京製鐵の当第1四半期における利益

同社は各段階利益も増益となっている。
その要因として、主原料である鉄スクラップの購入単価が想定を下回ったことにある。
製造原価は開示されていないが、売上高が前年同期比+13.4%のところ、売上原価は前年同期比+7.4%に抑えている。このことからも原価改善の効果が功を奏したことが分かる。

東京製鐵の業績予想修正

同社は、2023年4月21日公表の業績予想を、2023年7月21日に上方修正することを発表した。当上期および通期ともに上方修正を行ったが、これは当第1四半期決算が好調であったことに起因する。

当上期については、増収増益を見込み、各段階利益は+30%超と大幅に上方修正している。
通期では、売上高は据え置いたが、各段階利益は+15%前後へと修正している。

東京製鐵の役員に対する譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分

出所:東京製鐵株式会社 役員に対する譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に関するお知らせ
役員報酬として自己株式の割当を発表した。普通株式1万3080株を、企業価値の持続的な向上をはかるインセンティブ付与を目的に割り当てる。
ただし、今回の割当について、「株主の皆様と一層の価値共有を進めること」を目的に掲げており、割当株式は20~30年の譲渡制限が付いた株式となる。既存株主への配慮を十分に考慮して行われることとなる。

東京製鐵の株価

2024年3月期第1四半期連結決算の発表前となる、2023年7月20日の終値は前日より+27円の1403円であった。年初来高値は2023年3月9日の1599円である。
当第1四半期の好決算を受けて、株価がどのように動くか注視したい。

参考資料

石川 貴康