時給1,500円のファーストフードチェーンでのアルバイトが話題になっている。有効求人倍率の高さや人手不足に関しても最近耳にするようになった。とはいえ、ファーストフードチェーンでここまでの時給が出るとなると正社員の時給とはいくらなのかと考えてみたくもなる。
「時給1,500円って…」思わず会社員であることの意味を考えてしまう
今回話題になったのは都心の某私立大学に近いハンバーガーチェーン店。仕事内容は「ハンバーガーの製造販売」。ホームページ上の求人には「誰にも出来る簡単な仕事です」とある。しかし時給は「1,500円以上」。時間限定とはいえ、一昔前の大学生からすれば破格の水準である。
「私の大学生時代の塾講師の時給に近いな」
大手家電メーカーに勤務する40代男性はつぶやいた。大学生でも条件の良かった塾講師や家庭教師のアルバイトの時給が2,000円程度の水準であったことを思い浮かべると、時間制限付きといえども好条件だ。
今回のアルバイトの募集には時間制限があるが、仮にこの条件で7時間に渡って働くことができるとしよう。そうであれば、日給が10,500円ということになる。その条件で25日働いたとすると26万円を超える。大卒の初任給を考えると、いろいろ考え込んでしまう収入だ。
この計算結果を聞いて、コンサルなどを経てベンチャー企業に勤務する男性はこうつぶやいた。
「俺、バイトにしようかな。ベンチャーは夢があるけど、今の会社の給料安いし」
ただ、金銭面での条件が良いことだけで若い労働力を手にできているのかといえば、おそらくそうではないのであろう。幅広い年齢層の労働力に頼らなければ店舗運営に支障をきたすような店舗もあるのではないかと想像させる。
ぐるなびも顧客の採用難で業績に変化
ところで、先日発表された「ぐるなび」の決算も、同社が顧客とする外食産業の苦境を反映したものとなっている。