【医療・福祉業界の最新給料事情】全産業平均の賃金は前年比1.4%増

厚生労働省が2023年3月17日に発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、国内の一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の月額賃金は31万1800円で、前年比1.4%増でした。1%を超える増加は2015年以来、7年ぶりとなります。

男性だけでみると34万2000円で前年比1.4%増、女性だけでみると25万8900円で2.1%増。女性の賃金は男性より伸びているものの、まだ金額では大きな開きがあることが分かります。

男女別の賃金カーブをみると、女性は男性に比べて加齢に伴う賃金の上昇が緩やかになっています。20歳代時点ではそこまでの差はありませんが、ピーク時(55~59歳)で比較すると男性の41万6500円に対して、女性は28万円で13万6500円もの格差が生じています。

【医療・福祉業界の最新給料事情】女性比率の高さが賃金の平均値に影響

同調査では産業別の賃金についても発表しています。今回は「医療・福祉業界」に従事する20歳代の賃金にフォーカスを当てます。

まず、医療・福祉業界(男女・全年齢)の平均賃金は29万6700円で、全産業平均より1万5100円低くなっています。男性だけでみると35万8200円で男性の全産業平均より1万6200円プラス、女性だけでみると27万1000円で女性の全産業平均より1万2100円プラスでした。

医療・福祉業界は全産業の中でも特に女性比率が高い業界であるため、性別ごとの賃金は全産業平均以上でも男女合計の賃金では全体平均を下回るという現象が発生しています。

前年比は男女合計で1.7%増と全産業平均の1.4%増を上回っています。男性だけだと0.8%増、女性だけだと2.4%増で、賃金の伸びは男性が全産業平均(男性)以下、女性が全産業平均(女性)以上となっています。

【医療・福祉業界の最新給料事情】 男性の賃金は安定上昇、女性も他産業より高水準

20歳代の賃金は20~24歳が23万9000円、男性だけだと22万8000円、女性だけだと23万1700円。25~29歳が25万8900円、男性だけだと26万9600円、女性だけだと25万4600円。20歳代前半では男性より女性の賃金の方が高いという結果になりました。

医療・福祉業界の年齢ごとの賃金推移をみると、男性は伸び率が高く、ピーク時(55~59歳)では47万7700円と全産業平均(男性、41万6500円)を6万1200円も上回ります。また女性では全年齢を通して他の産業より高い水準を維持しており、60歳代以降の下げ幅もやや小さくなっています。

※「令和4年賃金構造基本統計調査」における賃金は、調査実施年6月分の平均所定給与額を指します。現金給与額から超過労働給与額を差し引き、所得税等を控除する前の額です。

参考資料

大蔵 大輔