【50歳代】老後に向けた資産形成の方法3つ
老後が間近に迫った50歳代は、効率よく資産形成をしていく必要があります。
年率0.001%の超低金利の預貯金にコツコツ積み立てを…といったやり方では、資産を増やすことはできません。それどころかインフレ率に追いつかず、資産を目減りさせてしまいます。
どのくらい資産を増やしたいのか、その目標額や使途により最良の方法は異なるでしょう。ここでは、50歳代が老後に向けた資産形成の一般的な方法をご紹介するので、参考にしてみてください。
【50歳代】資産形成の方法①NISA(ニーサ)
低金利の預貯金でお金を寝かせるのではなく、お金に働いてもらいましょう。さまざまな金融商品がありますが、株式や投資信託などを、NISAを利用してより効率良く資産運用するのがポイントです。
NISAは、国が後押しする税制優遇制度のひとつで、株式・投資信託等への投資で発生した配当金や分配金、譲渡益が非課税となるものです。通常、これらの利益に対して約20%の税金が差し引かれますが、NISAを利用して投資したものについては、いっさい税金がかかりません。
生きていく上で、ありとあらゆるものに税金がかかっていますから、「非課税」のものは利用しておきたいものです。ただし、投資にはリスクが伴いますので、じっくり検討しましょう。
リスクといっても大小さまざま。リスクと同じ分だけリターンも期待できます。対して預貯金はインフレに弱く資産価値は目減りしていきますが、それと同じだけの金利は期待できない点も踏まえながら資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。
【50歳代】資産形成の方法②iDeCo(イデコ)
iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)も国が後押しする税制優遇制度のひとつです。企業型の確定拠出年金制度を利用している方もいるかもしれませんが、掛金に上限はあるものの個人型との併用が可能です。
原則60歳まで引き出すことができない点には注意が必要です。しかし、掛金が全額所得控除の対象となるため、課税所得が減り、結果的に所得税や翌年の住民税も少なくなります。
また、運用益は非課税、受給時には一括受け取りで「退職所得控除」、年金で受給する場合は「公的年金等控除」の対象となります。
掛金は、投資信託や定期預金などの中から選択できるため、リスク許容度に応じて自分なりにアレンジが可能です。
イデコで定期預金を選択すれば所得控除の恩恵を受けられると考える方もいるでしょう。それも一つの選択肢ではありますが、運用益非課税のメリットが減ってしまう点と以下の手数料がかかる点を考慮して、慎重に判断したいところです。
【iDeCo(イデコ)でかかる手数料】
- 加入時:2829円
- 毎月合計:171円(国民年金基金連合会に105円+信託銀行に66円)掛金を拠出せず運用指図だけの場合は66円
- 口座管理料:0〜500円
- その他:受取時に振込の都度440円など
【50歳代】資産形成の方法③個人年金保険
民間の保険商品を活用した資産形成も良いでしょう。
金利の高い外貨建てで運用して年金原資となる元本が増えることを期待したものなど、運用に重きを置いたものもあります。
契約時に受取額が確定しているものや、運用次第で受取額が増えるものなど、各社さまざまなタイプの商品を展開しています。
老後にどういう形で受け取りたいか、何を重視したいかなど個々のご意向によって最適な商品は違ってきますので、リサーチやFPに相談しながら検討しましょう。
なお、個人年金保険は、新制度で所得税が年間4万円、住民税が年間2万8000円まで控除となります。所得税と翌年の住民税をおさえることができる点もひとつのメリットです。
50歳代、老後の資産形成ラストスパート
教育資金や住宅資金などの目処がたてば、休む間もなく老後資金。
しかし、老後の生活は、現役時代にどれだけ準備したかで大きく違ってきます。
目前に迫った老後に向けて、自分が納得できる方法で資産形成に取り組んでいきましょう。
参考資料
- JNTO(日本政府観光局)「訪日外客数(2023年6月推計値)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果」
- 金融庁「NISAとは?」
- iDeCo公式サイト
和田 直子