国民(基礎)年金の平均年金月額(令和3年度)
全体:5万6368円
- 男性:5万9013円
- 女性:5万4346円
厚生年金の平均年金月額(令和3年度)
全体:14万3965円
- 男性:16万3380円
- 女性:10万4686円
※国民年金部分を含む
国民年金であれば5万円台のため、貯蓄は早くから多めに備える必要があります。
厚生年金であっても、平均は月14万円台ですが、実際は加入期間や収入に応じて払った保険料により受給額は異なります。
また先程の老後の生活費は15万5495円ですから、厚生年金の平均でも月約1万円近く赤字です。
さらに少子高齢化の日本では、年金受給額が減る可能性があります。いまは平均が14万円台でも、それより下がる可能性もあるでしょう。
月1万円の赤字であれば、25年で計算しても300万円です。しかし年金受給額が2万円減って12万円となった場合、月3万円の赤字で900万円になります。
先程の60歳代の貯蓄を見れば、より実態に近い中央値は300万円でしたから、年金が減ったときのことを考えると貯蓄のみでは心もとないでしょう。
また、賃貸であれば、さらに老後の必要額が増えます。生活費の赤字以外も備えておきたいところでしょう。
老後は貯蓄や仕事など複数の選択肢を
最近はiDeCoやNISAといった国の非課税制度がありますが、預貯金だけでなく、資産運用で効率的に貯蓄を増やすことも大切でしょう。
2024年からは新NISAがはじまる予定であり、投資信託協会は成長投資枠で運用できる投資信託などを7月10日に公表しています。
また、老後をいつからにするかは人それぞれ。長く働き続ける人も増えていますから、仕事による収入を得ることで年金や貯蓄を増やす、守ることも可能でしょう。
人生100年時代だからこそ、公的年金、預貯金、貯蓄、仕事による収入など複数の選択肢をもつことが大切です。いまから情報収集をして、ご自身に合った老後計画を立てましょう。
参考資料
宮野 茉莉子