夏休みが近づいてきましたね。今年の夏は行動制限が解除された最初の夏休み。出費がかさむことが今から心配です。

出費と言えば人生の三大出費である「教育」「住宅」「老後」。

60歳間近になって、教育資金や住宅ローンは落ち着いたけれど、老後資金までは考えていなかった…とならないようにしておきたいものです。

本記事では、いまのシニア世代の貯蓄額や公的年金受給額をのぞいていきます。年金暮らしを想像しながら、”自分”は老後に向けてどうすべきかを考えるきっかけにしていただければと思います。

1. 60歳代【年金エイジ】の貯蓄額「2000万円超」は約3割

まずは、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」をもとに、60歳代の二人以上世帯の金融資産保有額を確認してみましょう。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」

1.1《60歳代(二人以上世帯)の金融資産保有額》(平均と中央値)

※金融資産を保有していない世帯を含む

  • 平均値:1819万円
  • 中央値:700万円

平均値は一部の富裕層によって大きく引き上げられることが考えられます。

データを小さい順に並べた時に、ちょうど真ん中に来る値を示した「中央値」の方が、より実態に近い数字となりますので「中央値」を見ておきましょう。

ただし、中央値もあくまで参考程度に。円グラフを見ていただければお分かりのとおり、貯蓄額はゼロから3000万円以上までバラバラです。

いまの60歳代の貯蓄事情を保有額ごとの人数割合より深掘りしていきましょう。

1.2《60歳代(二人以上世帯)の金融資産保有額ごとの人数割合》

  • 金融資産非保有:20.8%
  • 100万円未満:6.1%
  • 100~200万円未満:5.5%
  • 200~300万円未満:3.3%
  • 300~400万円未満:3.2%
  • 400~500万円未満:3.4%
  • 500~700万円未満:5.3%
  • 700~1000万円未満:6.1%
  • 1000~1500万円未満:8.6%
  • 1500~2000万円未満:5.7%
  • 2000~3000万円未満:8.8%
  • 3000万円以上:20.3%
  • 無回答:2.9%

かつて世間をにぎわせた「老後2000万円問題」。この2000万円をクリアしている世帯はわずか約29.1%です。

また、「貯蓄ゼロ」の世帯は20.8%。近年の急速な物価上昇を体験すると、貯蓄ゼロで老後を迎えるのは不安ですね。

老後にどのくらいの貯蓄額が必要かは、各世帯の老齢年金の受給額や、私的年金の有無、生活費などにより異なります。セカンドライフを具体的にイメージして、計画的に貯蓄していく必要があるでしょう。