※【訂正とお詫び】本記事のタイトルを「自動車」と記載しておりましたが、正しくは「自転車」です。お詫びの上、訂正いたします。(2023年7月18日18時30分)

道路交通法が一部改正されたことにより、2023年4月1日から自転車利用者、同年7月1日から電動キックボードなどの特定小型原動機付自転車利用者に、ヘルメット着用の努力義務が課されるようになりました。

これを受けてヘルメットを新しく購入する動きがみられていますが、このヘルメット自体に「落とし穴」があることが分かりました。それが安全ではないヘルメットが合法的に多く流通していることです。

2023年7月時点でヘルメットが満たすべき安全基準に関する公的基準は設けられておらず、粗悪品が一般に広く販売されています。独立行政法人国民生活センターは7月12日にこうした状況に対して消費者に向けた注意喚起を行いました。

【自転車のヘルメット着用義務】着用の有無で致死率に大きな差

警察庁の調査によると、過去10年間の自転車交通事故による死亡者のうち、ヘルメットを着用していなかった人の割合は約9割。令和4年のヘルメット着用状況別の致死率は、非着用時で着用時の約2.6倍となっています。ヘルメット着用の努力義務化はこうしたデータからも妥当性のあるものといえます。

自転車用・特定小型原動機付自転車用ヘルメットの安全基準を示すものには、SGマーク(国内の任意規格である一般財団法人製品安全協会が定めた基準)、JCFマーク(公益財団法人日本自転車競技連盟が定めた基準)、CEマーク(欧州の規格)などがあります。

これらのマークが付いているヘルメットは衝撃吸収性や保持装置(締結具を含むあごひも)の強さなどで一定の基準を満たしており、事故発生時の怪我の程度や致死率を下げてくれます。

ただ先述したように日本ではヘルメットの安全基準を規定した法律が現時点でありません。SGマークやJCFマークなどを取得していない粗悪なヘルメットが合法的に販売可能な状況になっています。