2. 「オリックスの株価」決算発表により反発か

2月に発表された2023年3月期第3四半期の業績が堅調だったこともあり、やがて上昇トレンドに戻ったオリックスですが、5月の2023年3月期の決算がさらなる追い風要因になったと考えられます。

そもそもオリックスはこれまでの決算において、2023年3月期は次の二つの要因が業績悪化要因となると思われていました。

  • 2022年3月の弥生株式会社の事業譲渡による利益貢献の剥落
  • コロナ給付金支払いによるコスト増

弥生の事業譲渡は2022年3月に実行したもの。2023年3月期第1四半期において1634億円の減益要因となることを示すなど、すでに今年度の決算にはマイナス要因となる見込みでした。

さらに、保険事業では、コロナ禍における保険支払いの増加が上半期の減益要因となっていました。ただし、足元は社会活動の正常化にともない、保険事業は回復傾向にあります。

これらの要因は一過性のものであることから、2023年3月期を乗り切れれば問題ないと考えられます。

2023年3月期決算では、セグメント利益が3813億円となり、前年同期比▲1501億円でした。

しかし、弥生のインパクトが年度全体で▲1682億円、さらに保険事業が▲153億円の減益だったことから、これらの影響がなかったら増益を達成できていた可能性があります。

一過性要因を除けば業績はむしろ順調との評価から、オリックスの株価は同決算が出たのちに一段高となり、6月には年初来高値を更新し、さらに上値を伸ばしているのかと考えられます。

3. オリックスの株価に対する主なリスク3つ

オリックスは自社の有価証券報告書において、同社が考える業績へのさまざまなリスクを公表しています。そのなかで特に次の要因が株価にとってリスクとなりうると考えられます。

オリックスの株価のリスク1.世界経済の低迷や政治情勢の混乱などによる影響

足元のロシア・ウクライナ間の情勢悪化、米中間の貿易摩擦などが、市場環境の悪化をもたらし、オリックスの経営を圧迫する可能性があります。

オリックスの株価のリスク2. 信用リスク:与信先のデフォルト、もしくは信用状態の悪化に伴う、債権回収の不確実性

オリックスの主要はリースや融資などを通じてリース料や金利収入を得る金融業です。これらは投融資先の信用リスクを負うことになります。たとえば融資先が貸倒れを引き起こした場合には、債権回収が滞り業績の悪化要因となる恐れがあります。

オリックスの株価のリスク3.M&Aや合弁、提携における不確実性や資産価格の変動リスク

オリックスは投資事業を営む企業であることから、多数の企業の株式保有やM&Aによる子会社化、事業提携などを展開しています。

これらの投資先の業績悪化や投資先の資産価値の下落が、オリックスの業績悪化要因となる場合があります。

足元は既に株価には織り込み済みではありますが、弥生の事業譲渡が2023年3月期の減益要因となったことも、同リスクが表出した一例といえるでしょう。