2.1 国民年金(老齢基礎年金)
6万6250円(1人分)
国民年金は、20歳~60歳未満の40年間、滞りなく全ての保険料を納めた場合に満額を受給することができます。上記の6万6250円は、満額のひと月あたりの受給額です。
未納があれば、満額から減額されて支給される仕組みになっています。
2.2 厚生年金(「標準的な夫婦世帯」が受給する2人分の金額)
22万4482円(※夫婦2人が受け取る標準的な「モデル年金」)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金の給付水準(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))
ちなみに、2022年度のモデル年金額は22万9593円だったので、前年度より4889円の引き上げとなります。
公的年金受給額が増えることはとても喜ばしいことですが、一方で物価上昇も著しいなか、この金額では足りないと感じる方は少なくないでしょう。
事実、物価上昇率2.5%と賃金上昇率2.8%に対して、今回の年金引き上げ率は、新規裁定者(67歳以下)で2.2%、既裁定者(68歳以上)で1.9%となります。
実質的には目減りとなることがわかります。
3. 【厚生年金】月額「平均約14万円」はウソ?
ここからは、厚生年金の「1人あたり」の受給額事情を、厚生労働省「令和3年度厚生年金・国民年金事業の概況」を参考に見ていきます。
厚生労働省が発表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、一人あたりの厚生年金の平均額は14万3965円です。しかし、この額面をみて安心するのは少し早いかもしれません。
つぎでは、厚生年金の注意点を4つお伝えしていきます。
3.1 「 厚生年金の注意点」①平均月額14万円には「国民年金」部分も含む
日本の公的年金制度は2階建て構造のため、会社員や公務員などは厚生年金と国民年金の両方を受給することができます。
じつは、「厚生年金の平均月額14万円」という数字には、国民年金の月額が含まれているのです。
月額14万円にくわえて国民年金も受給できると思っていると、老後の生活設計が大きく狂ってしまいますのでご注意ください。
3.2 「 厚生年金の注意点」②年金格差による受給額のバラツキ
厚生年金の平均月額は約14万円となっていますが、あくまでも「平均」です。
厚生年金は加入期間や現役時代の年収によって受給額が異なるため、個人差があるのです。
参考までに、厚生年金の受給額分布を1万円刻みで確認しましょう。
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
※上記の受給額には国民年金(基礎年金)部分を含む。
先述した通り、平均額は約14万円となっていものの、実際のボリュームゾーンは「9万円以上~11万円未満」です。一方、17万円以上、18万円以上、19万円以上の方も多数。
このように、厚生年金の受給額は個人差が大きいため、「自分の場合いくらなのか」を想定したうえで、老後資金の準備を考えたほうが良さそうですね。