FXの「デメリット」2つ

FXだけでなく金融商品を検討する時には、必ずメリットとデメリットの両方を理解しておきましょう。デメリットが許容できないものであればその金融商品には手を出さないといった判断ができるはずです。

FXのデメリット①:証拠金以上の損失が出る可能性がある

FXに対してネガティブなイメージがついた最大の要因が「証拠金(投資額)以上の損失が出る可能性がある」ことでしょう。

為替レートは、さまざまな要因で動いています。世界の主要国の経済状況や景気動向を表す指標発表や、要人の発言、国際情勢など、その内容によっては一瞬でレートが大きく動くことがあります。

FX業者はトレーダー保護の観点から、一定水準の損失が出た時点で強制決済する「ロスカット」が自動的に発動するようになっています。

しかし、急激なレート変動によりロスカットが間に合わない場合には、証拠金を下回ったところで強制決済が実行され、口座残高がマイナスになる可能性があります。このマイナス分は「追加証拠金」といって、FX業者に入金しなければいけません。

なんとも恐ろしいシステムですね。ひと昔前は、FXに対するルールがゆるく、追加証拠金のために借金を抱える人もいました。

またレバレッジを高くしたり、ロスカット水準を低くして追加証拠金が発生するように仕向けた悪徳業者もいたようです。

しかし、投資家保護の観点から2011年には金融庁がFX業者に厳しい規制を設けました。商品の性格上、リスクがあることに違いはありませんが、以前より安全にトレードできる環境が整っているといえるでしょう。

FXのデメリット②:FXトレードに向けた勉強は必須

最近はFXに限らずスマホでいつでもどこにいても投資ができるようになりました。「上がりそう」「そろそろ上がるだろう」といった根拠のない希望的観測で取引をしている人も少なくないでしょう。

しかし、FXでしっかりと利益を狙うためには、勉強は必須です。FXの仕組みはもちろん、どういう理由で為替相場が動くのか、トレードに最適な時間帯は何時なのかなど、理解しておきましょう。

FXは余裕資産かつ少額から

1998年に個人取引が解禁されたFX。

当初は個人投資家が安全に取引できるルールや仕組みが整っておらず、大切な資産をたくさん失った方もいました。また、悪徳業者や詐欺なども横行し、FXに対するイメージはどんどんネガティブに。

しかし、ロスカットやレバレッジ規制を始め、少しずつFX取引の環境が整備され、口座開設数は増え続けています。関心度が高まっていることがうかがえますね。

FXはハイリスク・ハイリターンを求める方にとって、期待値の高い金融商品の一つです。

FXの最大の特徴ともいえる「レバレッジ」を上手に利用すれば、リスクに晒す資金を少額におさえられます。FXに興味を持たれた方は、まずは基本的な知識を学びながら、デモトレードで試してみることから始めるといいでしょう。

参考資料

和田 直子