株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年10月13日から10月19日)の株価動向を振り返る。

業種別振り返り-主力大型株に買いが集まった1週間

今週は鉄鋼株、保険業株、陸運業株を始め26業種が上昇。空運業株、ガラス・土石製品の2業種が変わらず。

神戸製鋼が品質データを改竄していた自動車向けボンネット用アルミ板について、安全性を確認したと国内自動車各社が発表したことを好感し、神戸製鋼(5406)は大幅反発。

米国やドイツの各主要指数が最高値を更新する流れを受け、主力大型株に高いものが目立ち、SOMPOホールディングス(8630)、東京海上ホールディングス(8766)などの保険業株も値を上げた。また、運送費の値上げ報道が相次いでいるヤマトホールディングス(9064)や日本通運(9062)などの陸運株が強含んだ。

一方、海運業株、サービス業株を始め5業種が下落。

先週まで値を上げていた海運業株は冴えず、日本郵船(9101)、商船三井(9104)などは揃って下落。内需銘柄も相対的に冴えないものが目立ち、日本郵政(6178)、オリエンタルランド(4661)などのサービス業株も軟調。

今後のマーケット見通しの注目点

今週は、日経平均株価、TOPIXともに堅調な相場展開であった。20日には日経平均が14連騰となり、過去最長の続伸記録である1960年12月21日~1961年1月11日に並んだ。これは約57年ぶりの快挙となる。

来週以降は、日本企業の上半期の決算発表が相次ぐ予定。米国やドイツの各主要指数が最高値を付ける中、海外売上高比率の高い主力大型株の決算動向に関心が高まる展開となりそうだ。

出所:SPEEDAおよび東証で取得したデータをもとに筆者作成

岡野 辰太郎